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冷凍したごはん 解凍したときに“白いつぶつぶ”ができる原因とは 失敗しない保存・解凍のコツを聞いた
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教えてくれた人:和漢 歩実

忙しいときのために、多めにごはんを炊いて冷凍保存している人もいるでしょう。しかし、いざ解凍したら、一部がパサついた“白いつぶつぶ”のようになっていたことがあるかもしれません。これは食べて良いものなのでしょうか。ごはんを上手に冷凍して解凍するコツとは? 栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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でんぷんの変化または保存時や解凍時の乾燥
冷凍したごはんを解凍したときに見られる“白いつぶつぶ”の原因について、次の3つが主に考えられます。
1つ目は、でんぷんの変化です。ごはんの主成分であるでんぷんは、炊きたての状態では水分を含んでやわらかい状態のαでんぷんですが、冷凍することで老化したβでんぷんとなり、パサついたり“白いつぶつぶ”のように見えたりすることがあります。
2つ目は、冷凍庫内での乾燥です。保存状態によって、ごはんの表面が白っぽく乾燥することがあります。
3つ目は、解凍の状況です。電子レンジで加熱する際に熱が均一に伝わらず、一部が加熱されすぎて水分がなくなり、白く硬くなっていることが考えられます。
いずれの場合も食感が悪く、おいしいものではありませんが、食べても体に害はありません。ただし、解凍時にごはんから酸っぱいような、カビのような変な臭いがする場合は、食べないようにしましょう。
ごはんをおいしく冷凍保存するためのポイント
ごはんをおいしいまま冷凍できるかは、保存方法が影響します。炊きたてのうちに、1食分ずつ、平らにぴっちりと入れて保存するのがポイントです。ラップで包む場合について、解説していきます。
まず、使用するラップは、ポリ塩化ビニリデンのものがおすすめです。臭いや水蒸気、酸素を通しにくいといわれているので、ごはんの冷凍保存に向いています。
○冷めてから包まない
ごはんが炊き上がったら、熱々のうちにラップで包みましょう。冷めてからだと水分が蒸発してしまい、でんぷんの老化が進んで、食感も味も落ちてしまいます。蒸気ごと包むイメージです。
○1包を大量にしない
一度に包むごはんの量は、茶碗1杯分(約150グラム)を目安にしてください。1包のごはんの量が多いと解凍ムラができてしまい、“白いつぶつぶ”が発生する原因にもなります。
○空気を入れない
冷凍ごはんに空気が入ると、解凍した際にべちゃっとしてしまいます。ラップで包む際はなるべく平らに、ごはん粒をつぶさないようにぴっちりと包むことが大切です。包んだものを冷凍用の密封保存袋に入れると、さらに保存状態が良くなります。
ラップで包み終わったら、保冷材などで粗熱を取ってから、または保冷剤に挟んだ状態で冷凍庫内に入れてください。熱いまま入れると庫内の温度を高めて、ほかの食材に影響を及ぼしてしまいます。急速冷凍機能があれば活用し、急速に冷凍するのがポイントです。