食
ホームパーティーにもぴったり グルメでおしゃれな雰囲気をアップするオリーブオイルの使い方とは
公開日: / 更新日:

パスタやカルパッチョなど、さまざまな料理で活躍するオリーブオイル。加熱でも、そのままでも楽しめるのが魅力です。身近な食用油ですが、意外に知らないことも少なくありません。特徴を生かした使い方や楽しみ方など、日清オイリオ研究員の荒井千恵さんに、お話を伺いました。
◇ ◇ ◇
価格レンジが広いのはなぜ? ワインのような嗜好品要素も
さまざまな料理に活用するオリーブオイルは、価格の幅が広い印象があります。スーパーマーケットで手軽に買えるものが多いなか、ものによっては1瓶で1万円近いものも。いったい、どういった違いがあるのでしょうか。
「オリーブの実を搾って作ることから、その年の出来・不出来によっても品質や価格に影響が出やすいです。たとえば、オリーブの産地で干ばつが起きると、原料価格が高騰することも。また、産地や収穫のタイミング、季節の限定品、製法などがブランディングにも影響します。その点でオリーブオイルは、ワインと同じような嗜好品としての側面もあるんです」
一方で、手頃な価格だからといって、こだわりが薄いわけでも、品質が低いわけでもないと荒井さんは説明します。
「たとえば当社の『BOSCO』は、品質にこだわったエクストラバージンオリーブオイルですが、何千円といった価格帯ではありません。年によって原料となるオリーブの出来が異なるなか、安定した味とクオリティを保つために、当社の社員が収穫期にオリーブオイルをテイスティングし、現地生産者とともにブレンド比率などを決め、安定した商品をご提供できるようにしています」
エクストラバージンとピュアなどオリーブオイルの違い
オリーブオイルは、一般的にエクストラバージンオリーブオイル(以下、エクストラバージン)とオリーブオイル(以下、ピュア)の2つに分けられます。
エクストラバージンは、オリーブの果実を搾ってろ過しただけのバージンオイルです。一方、ピュアは、精製オリーブオイルにバージンオリーブオイルがブレンドされ、食べやすい風味に調整したものだといいます。
「よくエクストラバージンは生で、ピュアは加熱用といわれますが、どちらも加熱調理で使うことができます。焼き物や炒め物で、エクストラバージンならではのコクや旨味を楽しむのもおすすめです。材料や料理によって使い分けると、より楽しめると思います」

エクストラバージンについては、フレッシュな風味が強いものほど高額な印象がありますが、荒井さんによると、オリーブを収穫したタイミングや製造の過程、保存状態によって、味や香りなどに違いが出るのだとか。
「オリーブが完熟する前の緑色の果実を収穫して搾ったもの、黒く完熟した果実を搾ったものがあり、そのふたつでは風味が異なります。完熟前に搾ったオイルはさわやかな風味の強さ、完熟後に搾ったオイルは甘みを感じるところが特徴ですね」
ちなみに、高級なオリーブオイルは完熟前の緑色の果実を搾ったものが多く、価格に差が出るのは、完熟した果実のほうが油分が多いため。熟す前に収穫し、完熟と同じ量のオリーブオイルを作る場合、より多くの果実が必要になることから、完熟前に搾るもののほうが希少になるのだそうです。