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霜がついた冷凍食品は食べても大丈夫? すぐできる食品の冷凍保存のコツ3つを栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実

時短や節約のため、まとめ買いした食材や多めに作った料理、市販の冷凍食品を冷凍庫にストックしている人もいるでしょう。しばらくして使おうと取り出したら、食品の表面に白く霜がついていた経験はありませんか? 食べても問題ないのか迷うことも。冷凍食品の保存の仕方や、霜をつきにくくするコツなどを、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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冷凍食品についた霜は、食品の水分
食品を冷凍庫で保存していると、いつの間にか食品の表面に霜がたくさんついて、白くなっていることがあります。この霜は、もともと食品に含まれていた水分が凍ったものです。
霜ができる原因として、冷凍した食品の温度変化が挙げられます。冷凍庫を開閉する際に、温かい外気が当たると食品の温度が上がり、含まれている水分が気化。再び低温になると、その気体の水分が小さな氷の粒となって食品の表面に付着し、霜になります。
水分が蒸発しているので、霜がついた食品は乾燥が進んでいます。一度蒸発した水分は、食品の中に戻りません。食べられますが、風味が落ちておいしさが損なわれていることも。調理する際は霜を軽く払って、みそ汁やスープ、煮物など、水分を必要とする加熱調理が良いでしょう。
霜が何度も付着すると、食材から水分がどんどんなくなります。霜や氷の塊がたくさんついた食品は、かなり劣化している可能性が高いため、食べることはおすすめできません。自宅で調理したものでも、市販の冷凍食品でも同様です。
霜をつきにくくする保存のコツ3つ
冷凍食品にできるだけ霜がつかないようにするためには、次の3つのコツを参考にして保存しましょう。
1. 食品を密閉して保存する
食品内の水分の蒸発を防ぐには、空気に触れないように冷凍保存用の密閉袋や容器を使用し、空気を抜いて密封することが大切です。市販の冷凍食品も、一度開封したらラップで包んだり、保存袋に入れたりしてしっかり密閉しましょう。
2. 食品の温度変化を避ける
冷凍庫内は、ぎっしり詰め込んだほうが食品同士で保冷剤のような役割を果たせるため、スペースを有効活用できるだけでなく、温度を保つうえでも効率的です。隙間などがある場合、スペースの9割以上詰めることを目安に、保冷剤や水を入れたペットボトルなどを入れておくと良いでしょう。冷凍食品同士がしっかりふれあうように立てて収納すると、詰めてもどこに何があるかひとめでわかり、取り出しやすく、冷凍庫の開閉時間を少なくできます。
3. まとめ買いした食材は味つけ冷凍
肉や魚、野菜などまとめ買いした食品を冷凍する際は、調味液につけてから冷凍する「味つけ冷凍」をすると良いでしょう。霜がついても調味液の水分が蒸発するので、食品本体への影響を受けにくくなります。味をつけたくない場合は、味に影響しない程度の薄い砂糖水に浸してから冷凍するのがおすすめです。砂糖の保水性で、食品本体の水分の気化をある程度防げます。
長期間、冷凍庫で保存するとどうしても水分が抜け、霜もつきやすくなります。自家製の冷凍食品は、種類によりますが、2週間から1か月程度以内を食べ切る目安に。市販の冷凍食品なら、パッケージに記載された賞味期限を確認しましょう。
(Hint-Pot編集部)