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「病気かな?」オーストラリア人カップルが驚いた日本の光景 まねしたくともできない事情とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

オーストラリアから来たというデールさんとジェミマさん【写真:Hint-Pot編集部】
オーストラリアから来たというデールさんとジェミマさん【写真:Hint-Pot編集部】

 待望のお花見シーズンが到来。東京・上野公園では満開の桜模様を一目見ようと、連日大勢の訪日外国人でにぎわっています。一方、この季節は同じく日本を代表する樹木であるスギの花粉飛来最盛期。花粉症の人にとってはマスクが手放せない時期でもありますが、海外からの観光客の目にマスク姿の日本人はどのように映ったのでしょうか。

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「みんなとても礼儀正しくて、すべてがとてもきれい」

 オーストラリアから来たというデールさんとジェミマさんカップル。今回が初めての来日で、16日間で東京、大阪、沖縄、京都を巡る予定だといいます。日本ではニュージーランドから来る友人とも合流し、主に日本文化や日本食を楽しむ予定だといいます。

 日本の印象については「とても驚きました。みんなとても礼儀正しくて、すべてがとてもきれいで。ただ、ちょっとしたカルチャーショックだったのは、街に座る場所があまりないこと。みんな忙しく歩き回っているのが驚きでした」。ベンチなど腰を下ろせる場所が少なく、やむを得ず公園内のちょっとした石段の上に腰掛けていたところだと教えてくれました。

 日本旅行のお土産には、ウイスキー、ジーンズ、ラム酒などの他、観光土産のマグネットを購入予定とのこと。マグネットの他にも、観光地のステッカーやキーホルダー、切手は旅行者から人気が高いそうで、「すでにいくつか買いましたが、大阪や京都など各地で買い集めた後、東京に戻ってきたらもっと買うつもりです」と話します。

 この日は絶好の花見日和、穏やかな陽気の中で桜の花びらも見頃を迎えていましたが、同時にスギ花粉の飛散量もピークに。実はスギは日本の固有種で、海外では他の植物による似たようなアレルギー症状はあるものの、スギ花粉による花粉症の症例はほとんど報告されていません。体内で花粉に対する抗体が長年蓄積していくことで発症するので、旅行で日本を訪れた外国人観光客が花粉症になることもまれです。

 行き交う日本人の多くがマスクをつけた光景は、2人には不思議に映っていたそう。「マスクはめったにしません。オーストラリアではマスクをつけるのは病気のときだけなので、みんながマスクをつけていて、病気かな? と思っていました。コロナ禍のときは仕事で着用が義務づけられていたので、仕方なく(つけていた)。でも、コミュニティーにとってはとても良いこと。とても思いやりのあることだと思います。他の人を落ち着かせたり、感染させたりせずに日々の仕事をしたいならね」と印象を語ります。

 オーストラリアでは、干し草による“芝アレルギー”があるといい、「今年は特にひどいです。オーストラリアでは病気と思われるのでマスクは着けていませんが、日本ではマスクをつけるのは普通のことなので、そこは気に入っています。帰ったら(マスクを)つけたいですが、やっぱり病気と思われるので……日本がうらやましくもあります」と複雑な思いを口にしていました。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)