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「避難場所」と「避難所」は違う? 新生活スタートの春こそ確認したい災害への備えを防災士が解説
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教えてくれた人:小林 裕

春は入学や就職、転勤などで、新しい街での暮らしを始める人が多い季節。近所のスーパーマーケットや飲食店、リラックスできる公園など、街の探検にワクワクする人も多いでしょう。そうしたなか、併せて確認しておきたいのは、新生活を送る場所の防災施設です。災害に備え、地域のどんなポイントをチェックすべきなのか、防災士の小林裕さんに詳しいお話を伺いました。
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まずは周辺の「避難場所」などをチェック
新たな土地に引っ越したら、まず確認しておきたいのが居住地域の「避難場所」や「避難所」です。一見、同じように感じますが、避難場所は火災などから“いったん逃げる場所”。避難所は生活を続ける“一時的な宿泊場所”という違いがあります。
緊急時には、より近く、安全な避難エリアへ向かうことが大切ですが、避難場所や避難所は自治体ごとに決められていることが多いです。隣接する自治体との境目などでは、居住地の避難エリアが少し離れているケースも。別行動していた家族とスムーズに合流するためにも、住んでいる家に該当する避難エリアはどこなのか、家族で確認しておくと良いでしょう。
そのほか、自治体が提供している防災マップには、地域ごとの地震や洪水、土砂災害のリスク情報がまとめられているので、ぜひ一度チェックを。スマートフォンで見られる防災アプリも便利です。
また、災害の発生が在宅中だけとは限りません。勤務先や学校で被災するケースも想定しておくことが大切です。
とくに会社では避難訓練が行われていないこともあり、「どこに逃げれば良いかわからない」という声も。実際に、東日本大震災では、勤務中の冷静な判断が命を守った事例もありました。まずは「自分だけでも避難先を知っておく」という心がけや、「いざというときの帰宅手段を把握しておく」ことが、もしものときの冷静な行動につながります。