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「避難場所」と「避難所」は違う? 新生活スタートの春こそ確認したい災害への備えを防災士が解説
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教えてくれた人:小林 裕
公衆電話は“いざというときの通信手段”に
災害時は、携帯電話や固定電話がつながりにくい「通信の混雑」が発生しやすくなることも。そんなとき、公衆電話は通信規制の対象外となるため、比較的つながりやすい連絡手段として活用されています。
大規模災害時は、停電中でも一部の公衆電話が無料で開放されることもあるため、自宅や職場周辺の公衆電話だけでも、位置を事前に確認しておくと安心です。ただ、携帯電話の普及により、「公衆電話の使い方を知らない」世代も増えています。もしものときに使えるよう、子どもと一緒に、公衆電話から自宅や家族の番号にかけてみる体験をしておきましょう。
安否確認などについては、携帯電話がつながる場合、「災害伝言板」サービスも選択肢のひとつ。災害が起きていない状況で、実際の利用法を確認できる「災害用伝言板体験サービス」が利用できる期間もあります。もしものときに備え、家族で一緒にチェックしておくのがおすすめです。
帰宅困難を避けるために まず「帰らない」選択を
外出時の災害直後、交通機関が止まると徒歩での帰宅を考える人も多いですが、防災士からのアドバイスとしては「むやみに帰宅を始めないこと」がとても重要です。混乱や二次災害を避けるためにも、まずは職場など安全な場所で待機してください。
東京都などでは、一時滞在できる施設を支援ステーションとして整備しています。会社や学校のほか、外出時の被災では、そうした施設を確認するため「近くの災害時帰宅支援ステーション」「近くの支援ステーション」を検索。支援ステーションでは、飲料水やトイレ、テレビやラジオなどの情報といった提供を得られます。落ち着いて、取るべき行動を考えやすくなる面があると思いますから、ぜひ活用しましょう。
やむを得ず徒歩で帰る場合は、スニーカーなどの歩きやすい靴や地図、飲み物、簡単な食料といった準備が必要になります。会社の引き出しやロッカーに、ミニ防災セットを入れておくのもおすすめです。
防災は難しいことではなく、日常の中の“ちょっとした意識”から始められます。安心して新しい毎日を過ごすために、まずは暮らす街を知ることから始めてみましょう。
(Hint-Pot編集部)