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更年期世代は納豆をいつ食べるべき? 効果的なタイミングを栄養士に聞いた
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教えてくれた人:藤田 えみこ

蒸した大豆に納豆菌をつけて発酵させた納豆。低カロリーにもかかわらず、良質なたんぱく質を含むなど、更年期世代に役立つ栄養成分が豊富な食品です。納豆のメリットを効率良く得るには、朝・昼・晩、どのタイミングで食べたら良いでしょうか。また、納豆を“完全食”にするために、一緒にとりたい食材とは? 管理栄養士の藤田えみこさんに伺いました。
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栄養豊富な納豆 更年期にうれしい成分とは
納豆は“畑の肉”である大豆を原料にした発酵食品なので、さまざまな栄養成分を持ちます。良質なたんぱく質をはじめ、エネルギー代謝の補酵素であるビタミンB群、腸内環境を整える食物繊維、骨や歯を丈夫にするカルシウム、脳の活性化に役立つ大豆レシチンなどが豊富です。
なかでも、更年期の女性にうれしい納豆の成分として、次の3つが挙げられます。
まず、大豆イソフラボンです。女性ホルモンのエストロゲンに似た構造を持ち、体内でエストロゲンと似たような働きをすることで知られています。近年の研究で、悪玉コレステロールを減らす作用や、骨粗しょう症予防の効果があることもわかりました。
次に、ビタミンKです。骨にカルシウムを定着させる働きがあります。エストロゲンの減少とともに骨量も減っていく更年期は、積極的に摂取しておきたい栄養成分です。
ナットウキナーゼも、エストロゲンの減少で血管の老化が気になる更年期世代にとって、うれしい成分のひとつ。納豆を作る過程で生成される酵素の一種です。血栓を溶かす働きがあることから、動脈硬化予防などが期待されています。
納豆は、いつ食べると効果的?
納豆を食べる時間帯は、基本的にそれぞれの生活スタイルによって、朝・昼・晩のうち取り入れやすいタイミングでかまいません。
朝に食べる納豆は消化吸収が良く、たんぱく質が豊富なので、一日の健康づくりにぴったりです。昼に食べれば、午後の活動に備えてのエネルギー補給に。納豆に含まれるビタミンB群、レシチンは、エネルギー代謝や集中力維持に関わる栄養素です。
夜に食べる納豆は、ナットウキナーゼの働きをより生かすことができます。一般的に、血栓は睡眠中の夜中の時間帯にできやすいので、夜に食べることで効率良くナットウキナーゼのメリットを生かせます。また、骨を丈夫にするビタミンKを夕食でとることで、夜間の骨代謝がサポートされます。さらに、納豆菌は腸内環境を整える作用があり、翌朝のすっきりしたお通じにもつながります。
なお、ナットウキナーゼは熱に弱く、加熱によって働きが失われるため、メリットを生かしたい場合は、加熱せずそのまま食べるのがおすすめです。更年期の女性に多い「血管」「骨」「お通じ」の悩みに注目すると、夕食に取り入れることがより理に適っているといえるでしょう。