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納豆にからし 定番なのはなぜ? 相性の良い香辛料や調味料は他にも
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教えてくれた人:和漢 歩実
蒸した大豆に納豆菌を加えて発酵させた納豆。「畑の肉」といわれる大豆は栄養バランスが良く、それを発酵させた納豆は消化吸収が良いといわれています。市販の納豆といえば、からしが付属しているものが多いですが、疑問に思ったことはありませんか? また、他にも相性の良い調味料はあるのでしょうか。7月10日の納豆の日を前に、栄養士の和漢歩実さんに伺いました。
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発祥に謎が多い 日本の伝統的スーパーフード
納豆の発祥にはさまざまな説があり、未だに謎が多いといわれています。弥生時代の頃には、すでに納豆のような食べ物があったといわれています。また平安時代後期の武将の源義家が遠征に行った際に、馬用の煮豆をわら俵に包んでおいたら、糸を引く納豆になっていたという「八幡太郎の納豆伝説」もあります。
一般庶民の間で広く納豆が食べられるようになったのは江戸時代。みそ汁に納豆を入れて食べるのが定番だったようです。当時の複数の料理書には、納豆をたたいたりすったりしてみそ汁に加え、吸い口には刻んだネギやからしなどを用いたとの記述があり、納豆にからしは古くから親しまれてきた組み合わせでした。
からしには、臭い(アンモニア臭)をやわらげるアリルイソチオシアネート(アリルカラシ油)という辛味成分が含まれています。一般家庭に冷蔵庫が普及していなかった時代は、今よりも納豆の臭いが強かったと考えられ、常温保存で臭いが強くなった納豆をおいしく食べようということで、からしがセットになったようです。