新学期が始まり、ようやく落ち着くこの時期は、子どもがストレスを溜めやすく、心身に不調をきたす「五月病」のような症状がみられるケースもあるようです。公認心理師でカウンセラーの町田奈穂さんに、子どもの五月病について、家庭でできる対処方法や普段からの心がけなど、詳しい話をお伺いしました。

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子どもの五月病とは

　近年、子どもの五月病が注目されています。原因はさまざまですが、新学期には新しいクラスや先生、友達との出会いなど環境の変化があり、なじもうと頑張りすぎて、ストレスを溜めていることが考えられます。

　5月の大型連休が明ける頃に、こうしたストレスが表面化し、五月病の症状として出ることも。具体的には「なんだか学校に行きたくない」「朝起きるのがつらい」「お腹や頭が痛い」などです。とくに、真面目で頑張り屋さんの子、人に気を遣う子、新しい場所が苦手な子は、症状を訴えやすい傾向にあるといえるでしょう。

　五月病というと、大人がなるイメージがありますが、子どもも注意が必要です。新学期は、子どもにとって「初めてのこと」がたくさんあり、大人よりも変化に驚きやすく、ストレスなどの影響を受けやすいといえます。

　さらに、自分で環境を変えるのが難しい子どもは「学校しか世界がない」と思いがちで、「ここで頑張れなかったらもうダメだ」と思い詰めてしまうかもしれません。我慢してしまい、深刻化するまで周囲が気づかないこともあります。

子どもの小さな“サイン”に早めに気づく

　保護者が「五月病かな？」と感じる前に、子どもはすでに小さな“サイン”を出していることがあります。

　たとえば「学校のことを話さなくなる」「好きだったことに興味がなくなる」「イライラしたり、急に泣き出したりする」などです。これらは一例ですが、子どもの様子に変化がないかどうか、気をつけて見てあげてください。

　子どもが発する“サイン”に早めに気づけば、ゆっくり休ませたり、気持ちを聞いたりすることができます。心の負担が大きくなる前に対処できれば、大きな“心の風邪”を防ぐことにつながるでしょう。