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空き巣は事前の下見から─旅行・帰省前にやっておきたい防犯対策
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ゴールデンウィークなどの長期休暇シーズンは、不在を狙った空き巣被害が増える傾向にあるといわれています。ほんの少しの油断が、思わぬ被害につながる可能性もあるのです。そこで今回は、住宅などの防犯に詳しく、防犯設備士や防災士の資格を持つ、セコムIS研究所の濱田宏彰さんに、空き巣に狙われやすい家の特徴や、不在前にできる対策を伺いました。
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見逃さないで! 空き巣が残す“サイン”
空き巣は、むやみに家を狙うのではなく、下見をしたうえでターゲットを決める傾向があります。濱田さんは、次のような不審な“前兆”に気づくことが大切だと話します。
「ポストや外壁、塀の上などに、見慣れない印や汚れ、石などが置かれていたら注意してください。これらは“マーキング”と呼ばれ、空き巣が仲間内で情報共有したり、不在時間の目安を記録したりするために使うことがあります」
印は単なる記号や数字だけではなく、落書きや線、ゴミのように見えるものも。日常的にチェックし、不審なものがあればすぐに取り除くことが重要です。
また、点検業者を装って電話や訪問してくるケースも要注意です。目的は高額請求だけでなく、家の間取りや資産状況の把握といった情報収集であることもあります。
「見知らぬ電話には出ない、訪問者にはドアを開けないのが基本です。対応する場合も、インターホン越しに断るようにしてください。最近では“分電盤の点検”を名乗る手口も増えています。正式な点検の際には書面で案内が届くので、もし突然、電話や訪問があったら警戒しましょう」
狙われやすい家の特徴とは?

では、空き巣に狙われやすい家とは、どのような家なのでしょうか。濱田さんは、次のような環境には注意が必要だといいます。
・道路から見通しが悪い家
道路から家の様子が見えにくい場所や、奥まった位置に建っている家は人目につきにくいため、狙われやすい傾向に。道路に面していても、高い塀に囲まれていると、侵入後に外からの視線が遮られるため注意が必要。植栽やフェンスは背の低いものを選び、外からの見通しを確保しておくと安心。
・足がかりになる設備がある家
ベランダや高窓の近くにエアコンの室外機や雨どいなどがあると、それが足がかりになり、侵入を手助けしてしまう危険が。こうした場所には補助錠をつけたり、防犯フィルムを窓に貼ったりするなど、簡単に侵入されない工夫が大切。
・手入れが行き届いていない家
庭の雑草が伸び放題だったり、自転車や脚立などが乱雑に置かれていたりすると、「この家は管理がされていない」と思われ、ターゲットにされやすくなる。脚立はとくに侵入の手助けになるため、収納するか柱などに固定しておくと良い。また、近隣住民との関わりが薄い地域も空き巣に狙われやすい。日頃からのあいさつや、ちょっとした交流が防犯につながる。
こうした特徴から、戸建てのほうが狙われやすいのでは? と思いがちですが、「集合住宅も油断はできません」と濱田さん。
「たとえオートロックがあっても、住人を装って通過する『共連れ』や、屋上や非常階段から侵入する方法もあるので、集合住宅でもきちんと施錠を徹底することが大切です。また、在宅時はつい気がゆるみがちですが、施錠が基本です。換気で窓を開ける際は目の届く範囲にするほか、窓を開ける際は補助錠も活用して(窓が全開にならないように補助錠をストッパーのように活用する方法)、泥棒がすぐに侵入できないように工夫しましょう」