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「日本を知ってもらい、もっと好きになってもらいたい」 元フジテレビアナウンサー・中村江里子さん フランス生まれ育ちの子どもたちに願うこと

公開日:  /  更新日:

著者:Miki D'Angelo Yamashita

3人の母でもあるフリーアナウンサーの中村江里子さん【写真:荒川祐史】
3人の母でもあるフリーアナウンサーの中村江里子さん【写真:荒川祐史】

 3人の子どもの母であり、フランス・パリに暮らす、フリーアナウンサーの中村江里子さん。フランス人の夫のシャルル・エドワードさんや3人の子どもたちとの仲睦まじい様子、家族の幸せな時間などをインスタグラムで発信し、注目を集めています。インタビュー2回目は、フランスでの子育てについて伺いました。

 ◇ ◇ ◇

フランスでの子育て 違いには柔軟に対応

 江里子さんの子育ては、フランスでスタート。そもそも「日本ではこうする」という経験がなく、違いがわからなかったため、柔軟に対応できたそうです。

「たとえば、日本では子どもが小さいときは川の字になって一緒に寝たり、同じ部屋で寝たりすることが一般的なのかもしれないのですが、フランスでは赤ちゃんのときから、大人と子どもの空間を分けて生活します。そういうことで夫とけんかをしたことがありません。それぞれのやり方があり、まずはトライをしてみること! ダメだったらまた別のやり方に切り替えれば良いだけと思っています」

 ただし、叱るポイントと諭し方に関しては、夫との違いを感じていました。

「男性と女性の違いもあるし、夫と私の違いがはっきりあります。育ってきた環境が異なることもあって、彼と私が気になるところが異なります。子どもたちが、何が悪くて叱られているのか、理解できる諭し方か、そこは夫婦で徹底して議論をします」

 ただ、子どもの教育や学校選びに関しては、ふたりの考えがよく一致しており、通学に便利な近所の学校で良いと考えていました。

「私たちは教育に関しては多分、かなり楽観的だったのだと思います。子どもたちがハッピーであればと。たとえば長女の場合、幼稚園、小学校ととても楽しく通学をしていたのでそのまま高校までこの学校でと思っていたのですが、友人からアドバイスを受け、結果的に中学からは英仏のバイリンガルスクールへ通学をすることになりました。そのおかげで彼女の世界が広がりました」

 親ができることはサポートだけで、あとは本人たちの頑張りしだい──それがバルト家の教育方針です。

 義両親との距離感も、江里子さんは心地良いと感じています。フランスに住むシャルル・エドワードさんの義両親との会話は、やはり孫のことが中心になります。ただし、日本とは祖父母と孫の距離感に違いがあるようです。

「日本だと、帰省時やそうでないときにもおじいちゃん、おばあちゃんが頑張って孫の面倒を見ている姿をよく見かけますが、フランスはもっと距離感が違うような気がします。まずは自分たちの生活リズムや、やりたいことが最優先(笑)。無理をしすぎないこの距離感が心地良いのかな? と思います」