仕事・人生
「日本を知ってもらい、もっと好きになってもらいたい」 元フジテレビアナウンサー・中村江里子さん フランス生まれ育ちの子どもたちに願うこと
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長女はまもなく日本での生活をスタート
そんな教育方針で育ってきた子どもたちはのびのびと育ち、今年、長女は大学を、長男は高校を、次女は中学をそれぞれ卒業します。
「長女はコミュニケーションの勉強をしていたので、何か自分たちから発信していく仕事をしたいようです。長男はこの6月で高校を卒業しますが、小さい頃からの夢を叶えて私たちの元から離れていきます。次女は中学卒業。まだまだ、あと数年は一緒にいられると私は喜んでいます。3人ともとても優しく、私は母親業を楽しませてもらっています。今でも3人とも毎日、キスをしたり抱きついてきてくれたり」
ちなみに3人の子どもたちとの会話は、普段はフランス語です。しかし、それぞれ日本語を学んでいます。
「長女の言葉の使い方は、日本の大学生っぽい今風の話し方、息子は丁寧、一番下は理解ができるけど言葉が出てこない、でも読み書きは得意。それぞれ違いますが、日本語を学ぶのは楽しいようです」
長女は大学卒業後、9月から1年間、日本に住む予定です。今までは、日本に来ても観光客感覚だったこともあり、「仕事をしながら、日本の文化や習慣をしっかりと学び、感じたい」と不安もあるようですが、楽しみにもしています。
「さまざまな方たちと関わって、日本的な人との接し方やマナーを知ることはこれから先どこで生きていくにしても、必ず彼女の糧となっていくはずです。もしかしたら、1年ではなくもっともっと日本で生きていきたいと感じるかもしれないし、さらなる変化を求めることもあるかもしれない。でも若いからこそ、柔軟に飛び込めるし、その環境を楽しんでほしいと思っています」
日本のことは好きだけれど、海外の人が「日本大好き」と言っている感覚とあまり変わらないと江里子さん。住んでみれば嫌なことが見えてくるかもしれない。でも、それはそれで仕方がないと考えています。
「海外で生まれ育っていますが、せっかく日本人なんだからもっと母国を知ってほしい。子どもが自分から日本に住んで学びたい、知りたいと言ってくれたので、ありがとうという気持ちでいっぱいです」
3回目は、家業の経営やボランティア活動など精力的な実母と江里子さんの関係をお伝えします。
(Miki D’Angelo Yamashita)

Miki D’Angelo Yamashita
コロンビア大学大学院国際政治学修士、パリ政治学院欧州政治学修士。新聞社にて、新聞記者、雑誌編集記者、書籍編集として勤務。外信部、ニューヨーク支局、パリ支局、文化部、書籍編集部、週刊誌にて、国際情勢、文化一般を取材執筆。