子どもの頃ならいざ知らず、大人になるとさまざまな利害関係が働き、自身のきょうだいですら人間関係が難しくなりがちです。それが義理のきょうだいともなると、育った環境の違いや価値観の違いから、想像もしなかった揉め事に発展することがあります。そんな「義理の兄弟姉妹」とのトラブルで夫婦仲が険悪になってしまったというお悩みに、夫婦カウンセラーの原嶋めぐみさんがアドバイス。今回は、シスコンの夫にうんざりしている女性からの相談です。

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何かと義姉と比較してくる夫に、不信感MAX！

　相談者は、東京都在住の橋本璃子さん（仮名・34歳）。2歳年下の男性と6年前に結婚しました。

　夫には璃子さんと同い年の姉がおり、結婚前、璃子さんは体形やメイクなどを比較されたこともあったそうです。璃子さんが「比べるのはやめてほしい。それができないのなら別れたい」と言ったところ、夫は深く反省。以後、比較するような発言が収まったので、結婚に踏み切りました。

「確かに義姉はとても美人なんです。かわいらしいきれいさと言うんでしょうか。学生時代は雑誌の読者モデルや美容室のカットモデル、広告モデルをしていたと聞いたことがあります。顔合わせの席で初めて義姉を見たとき、彼がシスコンである理由がわかった気がしました」

　夫の強い要望で、結婚後は義理の両親と二世帯住宅を建てて同居。義父たちとの関係性は良好で、子どもにも恵まれ、幸せな生活が続きました。しかし昨年秋、結婚して家を出ていた義理の姉が性格の不一致で離婚し、義理の両親世帯に戻ってきたことでその平穏が崩れたのです。

　夫は義姉と子どもを気にかけ、外食に誘ったり、義両親宅へお土産を持って行ったりと、頻繁に交流するように。そしてまもなく、義姉と璃子さんの比較を再開しました。

「結婚前とは違って子育てのことまで比べて口に出してくるから、うるさくてうるさくて。来年あたりにもうひとり子どもをと話していましたが、もう無理かなと。今思えば、比較をやめたのは、ちょうど義姉が結婚して家を出た頃だったんですよね」

　幸いなことに、義姉はなるべく早く生活基盤を構築して、家を出たいと言っていますが、夫のシスコンぶりに璃子さんの気持ちは冷め切ってしまっているそう。夫との仲を元に戻すにはどうすればいいのか、悩んでいます。

義姉の存在が夫を支えてきた可能性大

　夫婦カウンセラーの原嶋さんは、夫は自分に自信がないのではと指摘します。

「夫は比較することで、暗に義姉を自慢しているのだと思います。そして、『そんな素敵な姉がいる自分はすごい』と置き換え、プライドを満たしている部分がありそうです」

　実は、こうした例は少なくないといいます。

「『お金持ちのおじがいる』『知り合いに有名人がいる』など、親戚や知人を自慢する人は周りにいませんか？　私の持論ですが、こういった人は自分に自信のない人が多いように思います。璃子さんの夫も自分に自信がなく、姉がいると強気になって、璃子さんに対して攻撃的になっている可能性があるかもしれません」

　だからと言って、嫌なことが続くのはストレスです。夫に態度を改めてもらうため、璃子さんはどのように働きかけるべきなのでしょうか。

「現状は、話し合いに持ち込もうとしても、夫が素直に聞いてくれる可能性は低いと思います。であれば逆に、義姉と仲良くなってみてはいかがでしょうか。そして、義姉に夫が比較してきて困るということを伝えましょう。夫は自分のプライドを守るためにも義姉に嫌われたくないので、義姉の言うことを聞くのでは？　と思います」

　ただし、義姉と仲良くなった璃子さんに嫉妬して、攻撃の手を強めてくる可能性も。その場合は離婚することも視野に入れ、「準備はしっかりとやっておきましょう」とアドバイスしています。

（和栗 恵）