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義姉の夫の“身勝手すぎる主張” 遺産相続に口出ししたあとまさかの行動に 長男妻がやるべきこととは
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教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

遺産相続が“骨肉の争い”に発展する理由のひとつに、本来は相続と関係がないはずの「兄弟姉妹の伴侶」の口出しが挙げられます。今回は、義姉の夫による“相続荒らし”で大迷惑をこうむったという女性の悩みです。自身が介護していた義母が亡くなり、遺産相続をめぐって予想外のトラブルに発展。義姉の夫婦関係が心配だという女性に、夫婦カウンセラーがアドバイスを送ります。
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相続放棄を決めた義姉に思わぬ障壁が
「私はあくまでも他人。だから口出しできないのが悔しくて」
話を聞かせてくれたのは、埼玉県在住の片桐しず香さん(仮名・57歳)。亡き義父が建てた夫の実家に同居して、二十数年になります。6年ほど前から在宅介護をしていた義母が最近亡くなり、肩の荷が下りたのもつかの間、遺産相続に関するトラブルが勃発しました。
「夫は姉2人がいる末っ子長男です。義父が亡くなった際、義母のために……と、子どもたち3人とも相続を放棄した経緯があります。義母も亡くなり、遺された財産を姉弟で分けることになったのですが、実家と少しばかりの貯金のみ。貯金は、葬儀や私物の処理などをしたらほぼ消える程度で、遺産と呼べるものは実家しかありませんでした」
義父の生前から長いこと同居し、両親を看取った弟夫妻のため、長姉も次姉も口をそろえて「弟夫婦に譲りたい」と言ってくれたといいます。しかし、そこに異を唱えたのは次姉の夫でした。
「義理実家を売って『金を平等に分けろ』と、主張してきたらしいんです。私は体調を崩してしまってその場にいなかったので、夫から聞いた話ですが、次姉や長姉、夫の3人が『次姉夫さんには関係のない話だから』と家から追い出したそうです。そうしたら、へそを曲げたのか、家に帰ってこなくなってしまったんです」
次姉の夫にはすでに実家がなく、自営業のため、どこにいるか、何をしているのかまったくわからない状態だそう。次姉がしつこく連絡し続けると、しばらくしてようやくメールが届きました。ところが、そこには「遺産のことを俺の言う通りにしない限り、家には戻らない」と書かれていたそうです。
「義姉たちの相続放棄の手続きはすでに済んでいますし、次姉もそのことをメールで伝えたそうです。それに腹を立てているのか、次姉夫はいまだに戻ってきていません。もともとすごく亭主関白な人だったので、私たちはいなくなってせいせいしています。でも、次姉の落ち込みがひどくて、見ているこちらがつらくなるほどです」
次姉夫婦の問題には首を突っ込まない
「次姉に離婚をすすめたいのですが、どうすればいいですか?」と、しず香さん。夫婦カウンセラーの原嶋めぐみさんに、意見をお聞きしました。
「次姉は確かにかわいそうですが、様子を聞く限り、次姉自身は離婚を望んではいないように思います。夫婦間のことは、あくまでも次姉だけの問題。第三者であるしず香さんが離婚をすすめるのは、やめたほうがいいでしょう」
そうしたことには一切触れず、買い物に連れ出してあげたり、一緒に温泉に行ったりと、気分転換の手助けをしてあげるよう原嶋さんはおすすめします。
「このまま次姉の夫が帰ってこず、次姉が離婚を決意して、助けを求めてきたときには手を差し伸べてあげてください」
遺産相続は、親族間にいらぬ不和をもたらすもの。そうした問題が降りかかる前に、親族間の関係を良好にしておくことも大切です。「そろそろ親が歳を取ってきたなぁ」と感じているならば、きょうだいやその伴侶との関係を見直してみてもいいかもしれません。
(和栗 恵)