Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

話題

「2年に1度しか咲かない」のは本当? 藤の花と石の鳥居が美しい話題の神社 真相を聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

鯨さんが撮影した、福島県にある羽田春日神社の鳥居。周りには美しい藤の花が【写真提供:鯨(@Cisp2)さん】
鯨さんが撮影した、福島県にある羽田春日神社の鳥居。周りには美しい藤の花が【写真提供:鯨(@Cisp2)さん】

 春から初夏へと季節が移ろうこの時期、紫色の花房を揺らす藤の花が見頃を迎えています。X(ツイッター)では、神社の鳥居の上に藤の花が咲き乱れる、なんとも幻想的な一枚が、20万件を超える“いいね”を集めて話題に。投稿者の鯨(@Cisp2)さんに詳しいお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

静かな雰囲気のなかであふれる生命力に感動

 四方を里山に囲まれた緑豊かな自然や、伝統的な「川俣シルク」といった多様な特産品など、さまざまな魅力があふれる福島県川俣町。その市街地から車で10分ほどのところに、1200年近い歴史を誇る、羽田春日神社はあります。

 初夏の時期、神社の参道を歩いていくと真っ先に目を引くのが、鳥居を覆うように多くの花房を垂らす藤の花です。知る人ぞ知るこの名所を撮影した、美しい風景写真がXで20.4万件もの“いいね”を集めて話題になっています。

 撮影者は、廃墟や神社が好きで、昔からよく写真を見たり情報を集めたりしていたという鯨さん。投稿したのは2023年に撮影した写真です。鯨さんは、別の場所を撮影する目的で福島を訪れた際、たまたま近くを通りがかったそう。

「車からこの光景が見えてあまりに立派だったため、思わず引き返しました。こんな巨大な藤の木を見たのは初めてだったのでかなり感動しましたね。気になってすぐネットで調べたら、明治初期からある老木とのことだったのでさらに驚きました」と振り返ります。

 なんとも幻想的な一枚に、投稿のリプライ(返信)には、「オーラがやばいね 本物の神社だ」「すごく厳かな雰囲気で 何とも言えない迫力がありますね」「美しい上に荘厳ですね」など、たくさんの声が寄せられています。

「老木のため咲き方に波がある」

鯨さんが2年前に撮影した、羽田春日神社の光景。垂れ下がる藤の花が美しい【写真提供:鯨(@Cisp2)さん】
鯨さんが2年前に撮影した、羽田春日神社の光景。垂れ下がる藤の花が美しい【写真提供:鯨(@Cisp2)さん】

 投稿には「2年に1度しか咲かないちょっと不思議な藤の花がある神社」とメッセージが添えられていました。そこで、羽田春日神社の禰宜、吉田芳樹さんにお話を伺ったところ、樹齢は不明ですがかなりの老木なため、咲き方に波はあるものの2年に1度というわけではないそうです。

「盛大に、一気に美しく咲くのが2年に一度くらいの感覚ですね。咲き方が年によって違うのは、栄養状況や天候による影響があると思われます。手入れなどは、神社境内のため草刈りなどの除草は適度に行っておりますが、特別なことは行っておりません」

 昨年も花は咲きましたが、鯨さんが撮影した一昨年のほうが「全体的にきれいに咲いていた印象がある」と吉田さんはいいます。

 平年の見頃は5月上旬から中旬とされている、羽田春日神社の藤の花。今年は気温が低い日が続いていた影響で昨年よりも開花が遅れていたものの、ちょうど見頃を迎え立派な花を咲かせています。

 開花の状況などは、羽田春日神社の公式インスタグラムアカウント(haneda_kasuga)でも確認できます。訪れる際には、マナーには十分に気をつけて楽しみたいですね。

(Hint-Pot編集部)