カルチャー
「日本にはあまりいない」 アイルランド人が日本での生活で戸惑い 「不快になっていないかしら」と注意していることとは
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日本で生活するなかで、多くの外国人が驚くことのひとつが“マナー意識の高さ”。ルールや秩序を大切にする文化のなかで、「どこまでが許容されるのか」がわからず戸惑う場面もあるようです。話を聞いたのは、日本で暮らすふたりの外国人女性。身近な“あること”をめぐって、思い悩むことがあるといいます。それはいったいどんな場面でしょう。
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礼儀正しい日本にカルチャーショック
アメリカから来たアビーさんと、アイルランド出身のクララさん。ふたりは夫の赴任に伴い、現在は日本で暮らしています。アビーさんは移住して約1年になるそう。クララさんもほぼ同じ時期に日本へ来ました。
「どこに行っても清潔で、マナーをみんな守っていて、みんな礼儀正しい」とクララさんは日本の印象を語ります。そして、「私たちの文化背景はどうしても日本と比べるともっとわいわいしていて、カジュアルなんですよね」と、違いを考察しました。
一方、アビーさんはそうした日本の慣習を尊重しつつも、戸惑っていることもあるといいます。
「日本のマナーはとても難しくて、これはやって良いことなのか悪いことなのか、判断がつかないことがあります。周りの人たちの振る舞いを見て、『これはやって良いのだな』と考えたりしています」
気遣いの文化に許容範囲を探る日々
クララさんも、周囲の様子を見て、気をつけている行動があると教えてくれました。それは、お気に入りの香水をつける場面なのだそう。
「私は香水が好きなのですが、日本ではつけている人があまりいない気がするんです。だから、香水をつけている日は『誰かにとって不快になっていないかしら』と気にするようになりました」
周囲への配慮が根付いている日本では、他人に迷惑をかけないという観点からも、強い香りを控える傾向があります。とくに近年では、「スメハラ(スメルハラスメント)」という言葉も広まり、匂いに対する配慮が意識されるようになっています。TPOをわきまえた香りの使い方は、外国人にとっては文化の違いを感じる一因になっているようです。
母国では当たり前でも、日本では慎重に選択しようと立ち止まることが多い様子。周囲への配慮を忘れないふたりの姿から、日本での暮らしに溶け込もうとする真摯な気持ちが伝わってきました。
(Hint-Pot編集部)