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「夫が実家を相続したのに…」 距離なしの義姉とお金にがめつい夫に悩む女性 選ぶべき未来とは
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教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

両親が住んでいた家は、両親亡きあと、いつまで実家と言えるのでしょうか? 今回は、いつまでも実家とみなして遊びに来る義姉に悩んでいるという女性からの相談です。それだけでなく、夫とともにお金の面でもいろいろと口出しされ、不信感が募っているといいます。夫婦カウンセラーの見解とは。
◇ ◇ ◇
夫婦間に割り込んでくる義姉
「私たちは、義理の両親が亡くなるまで十数年、夫の実家で同居していました。義母亡きあと、夫が実家を相続。晴れて私たち家族の家になったのですが、以前と変わらない距離感で、義姉が毎日のように家にやってくるんです……」
神奈川県在住の森下万葉さん(仮名・49歳)は、ため息交じりに話し始めました。義姉は既婚ですが子どもがなく、義母がかわいがっていた猫の世話を口実に、ほぼ毎日、勝手に家に上がり込んでくるのだそう。業を煮やした万葉さんが「せめて週1に」と伝えましたが、「自分の実家に帰ってるだけなのに、なんで嫁の許可を取らなきゃならないの?」と一笑に付されたといいます。
相続後、リフォームをした際に夫婦の貯金をつぎ込んだため、夫の実家の名義は夫と万葉さんの連名になっているそうです。しかし、実家なのは変わりないと、義姉は我が物顔でやりたい放題なのだとか。
「勝手に冷蔵庫を開けるのは序の口。夫婦の会話に聞き耳を立て、夕飯の内容がしょぼいだの、私が無駄遣いしすぎているだのと、お金の使い方について事あるごとにケチをつけてきます。また、夫とふたりでゴールデンウィークの旅先を決めていたときには、『そんな貧乏くさい旅、私なら嫌だわ』などとマウンティング。相手にしていないのに、義姉は嫌味を言わずにいられないようです。夫も、そんな義姉を諫めてくれません」
また、お金に関しては、数年前に決定的な溝ができた事件があるそうです。万葉さんの父親が危篤状態になった際、父親が寝ている横で、夫が遺産のことばかりを口にしていたといいます。そのことを家に帰って注意したら、義姉が「弟の言うことが正しい」とばかりに加勢。
ふたりそろってしつこく口出ししてくるため、実父が亡くなり、相続の件が片づくまでイライラが止まらなかったといいます。当時を思い返し、お金にうるさい夫たちと「縁を切りたい」という気持ちが最近、高まっているようです。
親族だからといって、仲良くする必要はない
万葉さんの話を聞いただけではありますが、義姉と夫、双方に問題があるように思えます。夫婦カウンセラーから見て、こうした場合、どのような対処が望ましいのでしょうか。
「離婚でいいと思います!」
ズバリそう答えたのは、夫婦カウンセラーの原嶋恵さん。
「まず、夫。お父さんが危篤のときの対応は、看過できませんね。夫婦カウンセラーのセオリーとして、まずは夫婦で話し合うことをすすめています。でも、万葉さん夫婦の場合は、父親に対する態度に怒ったにもかかわらず逆ギレしていることからも、話し合いは難しそうな印象です。また、お金に執着しすぎていて、万葉さんが将来体調を崩したときにどんな対応をするのか疑問です。心の安寧を取り戻すためにも、離婚を前向きに検討してもいいと思いました」
また、義姉については、離婚を決めたのであれば、今後はおつきあいをしなくてもいいと話します。
「夫と別れれば、義姉は赤の他人。考えるだけ損です。今後はスルーでいいですし、カギを取り換えるなど、家に上げないようにしていいと思います。そもそも、親族だからといって仲良くする必要はありませんから」
ただし、離婚する際に注意すべき点があるそう。
「遺産相続のことでわかった通り、夫はお金に執着するタイプで、自身が損することを嫌がる性格なのではないでしょうか。こういう人と離婚するとなると、財産分与で揉めに揉めることが考えられます。ですから、離婚への気持ちが固まったら、金銭的な面で損をすることがないよう弁護士に間に入ってもらい、正攻法で手続きを進めたほうがいいと思います」
また、これまでのことをできる限りノートに書き起こしておくなど、離婚に向けた準備をしておくことも大切だと原嶋さん。
「何時何分に義姉が来ていつ帰ったか、どんなことを言われたか、夫はどんな態度だったかなど、小さなことでもいいので、すべて書き留めておきましょう」
(和栗 恵)