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「患者さんのマナーでもあります」 歯医者へ行く前に歯磨きをするのはなぜ? 治療前の避けるべきNG行動を歯科医師に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

スムーズな治療を行ってもらうために、患者が気をつけることとは(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
スムーズな治療を行ってもらうために、患者が気をつけることとは(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 歯医者さんでスムーズな治療を行ってもらうために、患者としてどんなことに気をつければいいでしょうか。もしかしたら、知らずに“マナー違反”をしているかもしれません。来院前に気をつけることについて、歯科医師でLily Smile Dental Clinic院長の相原弘一朗先生に伺いました。

 ◇ ◇ ◇

歯医者さんへ行く前には、必ず歯磨きを

 歯の表面がきれいなほうが、治療の精度が上がります。一方、治療をする前に、歯の表面に細菌の塊(プラーク)や食べカスが残っていると、正確な診断ができません。

 口腔内にプラークがある状態で治療を行うと、削った面と詰め物の間にプラーク由来の細菌が侵入する可能性が、大幅に上がります。また、歯に汚れがあると、詰め物の型取りの際に密着が悪くなることもあるでしょう。

 汚れた状態の口内を治療することは、歯科医師側としてもいい気持ちはしません。歯を磨いてから来院するのは、治療を受けていただく患者さんのマナーでもあります。

 ちなみに、日本の保険治療は、あくまで病気を治すためのものです。虫歯治療中に患者さんの歯を磨くことは含まれていません。スムーズな治療を行うためにも、治療内容にかかわらず、歯磨きをしてから来院することをおすすめします。歯磨きのタイミングは、来院の30分~1時間前が理想です。

甘いものは診断の妨げに 治療前に避けるべき行動とは

 治療の妨げになるという観点から、避けてほしいこととして挙げるとすれば、ニンニクやネギなど匂いが強いものを治療前に食べることは、控えてほしいと思います。理由は、口臭が気になってしまう場合があるためです。

 また、砂糖を多く含む甘いお菓子やジュースは虫歯のリスクが上がり、口の中にべたつきも残ります。治療前に口にすると、診断の妨げになる可能性が。とくに、キャラメルやガムなどのべたつくものは、治療前は避けたほうがスムーズでしょう。

 歯磨きをしたあとにガムや飴を食べるのも、良くないとされています。せっかく歯を磨いても、口の中が再度汚れてしまうためです。糖分が口内に残り、虫歯リスクも上がってしまいます。

 飲酒や喫煙は、治療中に麻酔が効きづらくなったり、出血しやすくなったりしてしまいます。そのため、治療前の数時間は控えていただきたいです。

 歯医者へ行く前後の予定で、しっかりお化粧をする必要がある際も、とくに口紅は控えめにしておくといいでしょう。治療中、器具に口紅が付着して、支障が出る可能性があります。

◇相原 弘一郎(あいはら・こういちろう)
Lily Smile Dental Clinic院長。患者様一人ひとりとしっかり向き合って質の高い診療を行うために、一部の処置以外は自由診療専門で行っている。診療方針は「患者様本位」であること。患者様の気持ちに寄り添い、患者様ご自身の意向・価値観にあった治療計画をご提案し、納得いただけるまで丁寧に説明。精度の高い治療を提供し、できる限り少ない通院回数で治療を進めている。
○Lily Smile Dental Clinic:https://lilysmiledc.com/

(Hint-Pot編集部)