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うっかり常温放置で食中毒も 作り置きを台無しにしない3つのポイントを管理栄養士に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:藤田 えみこ

食事の準備が時短になるなど、役立つ作り置き(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
食事の準備が時短になるなど、役立つ作り置き(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 食事の準備の時間を短縮するために、お休みの日に作り置きをしている人もいるでしょう。蒸し暑くなってくるこれからの季節、作り置きのやり方を間違えると、食中毒の原因にもなりかねないため注意が必要です。作り置きのポイントを、管理栄養士で、作り置き講座の講師として活躍する藤田えみこさんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

基本は手洗い 包丁やまな板、箸は清潔なものを

 まず、調理をするうえで基本になりますが、徹底しておきたいのが手洗いです。一度洗ったからOKということではなく、食材を触る前や調理器具を使う前、ほかの作業から戻ったときなど、必要なタイミングで必ず手を洗いましょう。

 使用する包丁やまな板も、使う前後にしっかりとアルコール消毒をしてください。まな板は、使い捨てのまな板シートを活用するのがおすすめです。洗い物が減るだけでなく、食中毒回避にも役立ちます。

 取り分ける箸にも注意が必要です。食べるときに使った箸で、作り置き料理を取り分けることは避けましょう。口内には多くの細菌が存在しており、箸からおかずに細菌が移ると、それが食材内で繁殖する原因になります。清潔なトングや菜箸を使いましょう。

 そのうえで、肉や魚など加熱する料理はしっかりと火を通し、作り置きを。目安として、鶏肉やひき肉は中心温度75度以上で1分以上加熱、魚や豚肉も中心がしっかり白くなるまで火を通すようにしてください。中心温度計がない場合は、切って「中が赤くないこと」「肉汁が透明かどうか」を確認すると良いでしょう。

 気温が上昇して食中毒が気になる季節でも、上手に作り置きをしていくために、3つのポイントを紹介します。

作り置きポイントその1 粗熱はできるだけ短時間で取る

 調理が終わったら、冷蔵庫や冷凍庫へ入れる前に、必ず粗熱を取りましょう。目安としては、室温程度(約28度)まで冷ますこと。これより熱いまま冷蔵庫に入れると、庫内の温度が上がってほかの食材に悪影響が出たり、湿気で傷みやすくなったりします。

 ただし、粗熱を取ろうとして長時間、常温放置しないよう気をつけましょう。とくに暑くなってくるこれからの季節は、食中毒のリスクが高まるので注意が必要です。常温での粗熱取りは、30分以内を目安に。できるだけ早く冷ますために、次の工夫を参考にしてください。

○料理を浅く広げて冷ます
 料理を平たい皿やバットに移すと、熱が逃げやすくなります。深い容器は、中心まで熱がこもりがちです。冷気や熱は外側から中心に向かって進むので、高さより広さを重視しましょう。金属製のバットを使うとさらに効果的。熱伝導が良く、冷めやすいです。

○扇風機やうちわ、保冷剤を活用
 粗熱取りには、扇風機やうちわを活用しましょう。料理を入れた皿やバットの下に保冷剤を敷くと、冷めやすくなります。鍋ごと冷やす場合は、水が入らないように注意しながら、底を冷水に当てて冷却するとスピーディです。