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冷蔵庫の使い方間違ってない? 常温・冷蔵・冷凍 食材別の正しいゾーニングで食中毒予防を
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教えてくれた人:池田 由美
梅雨はジメジメとした毎日が続きます。食材をまとめ買いする傾向が高まっている今、時間が経ってから調理することも多く、食品を上手に保存したいところです。特に野菜や肉、魚のような生鮮食品は時間の経過とともに鮮度が落ち、最悪の場合、菌が繁殖して食中毒を引き起こすこともあります。しかし、製品パッケージには最適な保存方法や注意点が書かれていますが、今さら聞けない疑問や、誤解があることも……。梅雨を機に今一度おさらい。保存のポイントを、栄養士で家庭科教員の池田由美さんが解説します。
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米は冷蔵庫へ みそや小麦粉は冷凍庫で保存がおすすめ
――よく見かける「直射日光、高温多湿を避けて」とあるのは、どういう場所を示しているのでしょうか?
「平均的な温度で直射日光の当たらない風通しの良い場所を選び、常温で保存することを意味します。具体的な温度はというと、JIS規格によれば、常温は5~35℃を指します。JISとは、日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた、日本の国家規格のことを言います。その一方で食品衛生法では15~25℃と規定され、また食品会社によって捉え方もさまざまのようです。一般的に外気温度を超えない温度と考えると良いでしょう」
――これから暑くなると、常温が高温になる気がして常温保存と記されたものでも冷蔵庫に保存したほうが良いように思いますが。
「未開封の場合は、原則的には表示通りの常温保存で良いと思います。なぜならば、冷蔵保存をしたものを常温に戻すと水滴ができやすく、腐敗の原因にもなるからです。しかし、一度開封したものは酸化しやすくなります。進度を遅らせるためには、開封したものは常温よりも冷蔵庫で保存するほうが好ましいです」
――常温で保存と一般的に認識されていても、実は冷蔵保存のほうが向いているものはありますか?
「米は冷蔵保存が良いでしょう。また小麦粉も常温保存ではコナダニが発生する可能性があり、アレルギーの原因にもなるため必須です。意外なところで調味料の酢、しょうゆ、みそ等も冷蔵保存が向きます。中でも、みそと小麦粉は、冷凍保存にするのもおすすめです。冷凍庫に入れても凍らないため使い方は変わりません」
――「冷暗所に保存」という文字も見かけることがあります。常温との違いは?
「冷暗所に保存の場合の『冷暗所』とは、温度がおよそ1~15℃に保たれ、直射日光が当たらない場所をいいます。冷蔵庫保存をしても構いません。ちなみにキッチンの流しの下の棚を保存場所に使う方も多いようですが、配水管がある場所は高温多湿になる可能性があるため、食材の保存する場所としてはおすすめできません」