どうぶつ
「本人は一生懸命隠れているつもり」 奈良公園の子ジカに「触ったり抱っこしないでください」 注意喚起に大反響 「全然知りませんでした」
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まだあどけない動物の赤ちゃんを見ると、思わず触ってしまいたくなる人も多いでしょう。しかし、野生の動物は、人間が勝手に触ってはいけません。X(ツイッター)では、奈良公園の子ジカについての「触ったり抱っこしないでください」という注意喚起が話題に。投稿者の奈良ならでは(@Lp5iwcdqhB4Vbs6)さんに詳しいお話を伺いました。
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「隠れてお母さんのこと待ってるんだ」
「この子は放置されているのではなく、栄養を蓄えに行っているお母さんが帰ってくるのをおとなしく待っているのです。かわいそう……と触ったり抱っこしないでください。本人は一生懸命隠れているつもりなので、見て見ぬふりでお願いします」
そんなコメントとともに投稿された写真には、身を縮めて、大きな木の根元にうずくまる子ジカが写っています。
はっきりとした斑点模様が愛らしい子ジカは、くぼみに体を寄せ、少し警戒するように振り向いて、カメラをじっと見つめています。あどけない表情からは、母ジカの帰りを信じて待っている健気さが伝わってきます。
この投稿は、Xで12万件もの“いいね”を集めました。リプライ(返信)には「一生懸命、隠れてるつもりなのかわいすぎますね」「赤ちゃんは絶対に触れてはならないのですよね」「まったく知りませんでした。すごく勉強になります」「隠れてお母さんのこと待ってるんだ お留守番できて偉いねぇ」「子ジカに触るな! 危険!!」など、多くの声が寄せられています。
コロナ禍による生活の変化がきっかけで、奈良公園へ通うように

奈良公園に生息するシカたちは、国の天然記念物に指定されており、奈良を代表する存在です。公園内で、鹿せんべいをあげる体験も有名でしょう。春から初夏には、ふわふわの毛並みが愛らしい子ジカたちに出会えることもあり、写真スポットとして人気です。
投稿者の奈良ならではさんが、日常的に奈良公園を散策するようになったのは、コロナ禍での生活の変化がきっかけでした。今では、四季折々のシカたちの様子を見守るのが日課となり、子ジカの誕生や成長にも特別な思いを抱いています。奈良ならではさんは、今回の注意喚起の投稿をするに至った理由を、次のように語っています。
「かわいかったというのが一番なのですが……このようなシチュエーションを、シカさんの性質などをあまりご存じない方が見たら、放置されていてかわいそう……と思い、抱っこしてどこかに連れていってしまうのではないかなと。そうなってはいけないと思い、投稿しました」
子ジカに人間の匂いがつくと、母ジカが自分の子どもと認識できなくなり、育児放棄につながるおそれがあります。さらに、人に慣れると野生で生きていく力が弱まってしまうため、絶対に触れず、静かに見守ることが大切なようです。