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がんと診断されたら最初にやるべきことは 37歳で乳がんを経験した先輩サバイバーのアドバイス
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教えてくれた人:桜井 なおみ

突然、がんと診断された場合、今後の仕事や生活について悩むことがあるでしょう。また、職場の同僚ががんに罹患したとき、どのような対応をしたらいいのか迷う方も多くいます。そこで、がん患者の就労に関する支援活動を行っている一般社団法人CSRプロジェクト代表で、社会福祉士・精神保健福祉士・産業カウンセラーの桜井なおみさんに「がんサバイバーの就労」について、お話を伺いました。
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「びっくり退職」せず、がん相談支援センターなどで相談を
2人に1人ががんに罹患するといわれる時代。もし、がんと診断されたら……。働きながらの治療が大変なのではないかと、不安に思うかもしれません。がんと診断されてショックを受け、すぐに会社をやめてしまう「びっくり退職」をする方もいるようですが、少しだけ立ち止まって考えてみてください。
病状や治療法、雇用契約にもよりますが、これまでのキャリアを手放すことなく働きながら治療を続ける方も、今はいらっしゃいます。
まずは、全国のがん診療連携拠点病院に設けられている「がん相談支援センター」へ相談することをおすすめします。そこで今後について話してみることが、第一歩につながります。
ソーシャルワーカーの方が休職や両立支援に必要なさまざまな情報を提供してくれますし、がんの知識が豊富な看護師もいるので、医学的なことも一緒に考えてもらえます。無料ですので、ご自身が納得するまで相談できますよ。
がん相談支援センターは、施設によって「医療相談室」「地域医療連携室」「患者サポートセンター」などの名称が併記されていることもあります。自分がその病院に通っていなくても利用可能ですので、ぜひ活用してください。
社労士へ相談し、利用できる制度を活用
病院によっては、社会保険労務士(社労士)による個別相談を行っていることもあります。治療による体調の変化に応じて、勤務時間や勤務形態をどう調整するか、利用できる制度は何かといった、今後の働き方についての相談が可能です。
会社員の場合、正社員でも非正規の方でも、勤務先に産業医や保健師がいれば、今後の働き方について話し合うことが大事です。そのうえで上長や人事担当、同僚に相談し、がんと就労を両立するために、状況に応じて考えていきましょう。また、会社に所属していることで利用できる制度をぜひ活用してみてください。
ただし、会社の規模やこれまでの前例があるかないかで、雇用先の対応が変わることもあります。とくに中小企業では、これまでがん治療をしながら勤務した前例がない場合もあり、対応に苦慮するケースもあるでしょう。
そういったときは、患者支援団体を活用するのも手です。電話相談窓口や患者同士で語り合う場、経験や思いを書き込み共有できるウェブサイトなどがあるので、利用してみるのもいいでしょう。
誰でも、初めて経験することには不安がつきまといます。つながりを多く持つことで、安心感を得ることができるはずです。