カルチャー
「アメリカではこの値段はありえない」食事で驚いた日本人ならではの細やかさ 「興味深い経験でした」
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「安い、うまい、早い」だけじゃない日本の食事

一方で、2人は、日本の牛丼店にも入ってみました。
語ってくれたのはデンさんです。
「すき家や松屋のようなファストフードチェーンは、私にとって興味深い経験でした。値段の割に味は驚くほどおいしく、調理もとても早かったです。量は少し少なめでしたが、私にとってはお腹を満たすのに十分でした」
牛丼(牛めし)は日本発祥のソウルフード。サラリーマンや学生の強い味方ですが、最近は外国人の姿もよく見かけます。ベースの牛丼のほか、カレーや定食、うなぎなど、メニューはバラエティーに富んでおり、ささっとお腹を満たしたい観光客にもうってつけです。
「これらのレストランでの食事がいかに安いか、ということにも驚かされました。どの時間帯でも500円から700円くらいでおいしい食事ができました。アメリカでは外食してもこの値段はありえない。残念なことに、レストランの質の高い食事は、インフレ(その他の要因もあるが)のためにここ数年で驚くほど値上がりしました。今では日本のファストフードチェーンで食べられるのと同程度の食事に15米ドル以上(約2200円)費やさなければならないことも珍しくありません」
そして、デンさんが驚いたのは価格や味だけではありませんでした。
「これらのレストランで食事をして一番驚いたのは、値段に比べて料理がとてもおいしく、よく準備されていたことです。アメリカには、(マクドナルドのような伝統的なファストフード店のような)安い食べ物の選択肢もあります。しかし、これらのレストランでは、客は安い食事のために、味や盛り付けなどの品質を犠牲にするのが普通です。でも、松屋や吉野家のような店では、食欲をそそるように料理が盛り付けられ、味もよかったです」
気軽に食べられるからといって、盛り付けが雑ではがっかりしてしまいます。日本の牛丼店では配膳が整理されているほか、たれがわずかでも丼からこぼれればふきんでふき取るなど、見栄えも重視していますよね。どんなに忙しくとも、店員の「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」のかけ声もあります。
日本には受けるサービスによってチップを払うという習慣がありません。大衆店だからといって、極端にサービスが劣ることもありません。牛丼店での何げない食事の景色から、外国人が感じ取った日本人ならではの細やかさ。私たちもいつまでも大切にしたいものですね。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム・水沼 一夫)
