からだ・美容
リンスインシャンプーは通常のシャンプー・リンスとどう違う? 使用時に知っておきたいことを美容師に聞いた
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一日の疲れを癒やす入浴タイム。ただ、時間がなくて、簡単に汗や汚れを落とすだけにしたくなる日もあるでしょう。そんなとき、リンスインシャンプーを使えば、1回の洗髪でシャンプーとリンスを同時に済ませられるので時短になりそうです。しかし、実際のところ、ほかにケアする必要はないのでしょうか? 合同会社サステアの代表で現役美容師の三村浩章さんに伺いました。
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リンスインシャンプーが髪に与える効果とは
通常のシャンプーには、一般的に「マイナス」の電荷を持つ界面活性剤が使われています。頭皮や髪の汚れを落とすのに有効ですが、シャンプー後の髪はマイナスの電気を帯びていて、静電気が起こりやすい状態です。そこに「プラス」の電荷を含んだ成分を持つリンスを付着させ、中和することによって髪の摩擦を防ぎ、潤いを与えてなめらかにします。
リンスインシャンプーは、頭髪や頭皮の汚れを落とすシャンプーの機能と、髪に潤いを与えるリンスの機能を合わせ持ったものです。単にシャンプーとリンスを混ぜたものではありません。特殊な反応を利用し、シャンプー中はマイナスの界面活性剤が働き、お湯で流すときにプラスのリンス機能が働くように調整して作られています。なかには、リンス機能を保つために、いわゆるシリコンやポリマーを用いているものも。
ひとつで二役を担っているので、かかる時間という面では短縮できるメリットがあります。しかし、プラスとマイナスの相反する機能を一緒にしてしまっているため、両方の機能が中途半端になりがちです。そのため、ヘアケアの面で考えると、シャンプーとリンスを別々で行うときよりも、洗浄力や潤いの効果は薄いといえるでしょう。
タイパは良いけれど…トリートメントで補う必要も
リンスインシャンプーは、髪にダメージがなく、ケアに時間を割きたくない人には適しているかもしれません。髪にきしみ感が出にくく、アイテムもひとつで済むので、タイパが良いです。
一方で、髪にダメージがある人にはおすすめできません。なぜなら、トリートメント効果や髪修復機能といったケア成分がほとんど入っていないからです。リンスインシャンプーを使っても、トリートメントを使って補うことをおすすめします。
また、リンスインシャンプーの洗浄力では、皮脂汚れを十分に落とせない場合があります。脂性肌の人は、髪や頭皮がベタついてしまうこともあるかもしれません。「きしみ感の少ないシャンプー」として利用すると良いでしょう。
自分の肌や髪に合ったものを使用しつつ、時短したい場合は特徴を知ったうえで活用するなど、ライフスタイルに応じて選択し、清潔な頭皮ときれいな髪を保っていきたいですね。
合同会社サステア・CEO。hair/make COUR代表。滋賀県美容組合副理事長。シャンプーソムリエの資格を持つ現役美容師。今までに向き合ったお客様の数、延べ12万人以上。高校卒業後、兵庫県神戸市のサロンに勤務。その後、滋賀県彦根市にCOURを出店。ヘアショー、各種セミナー、神コレのヘアメイク、雑誌のヘアメイク、メーカーのプロダクトの企画テストなどをこなす。また、シャンプーオタクが作ったリペアシャンプー「サステア」をECサイトにて販売中。
(Hint-Pot編集部)
