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ライフハックには注意点も 汗ばむ夏に気をつけたい18金アクセのお手入れ方法 プロが解説
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金の価格が最高水準を更新し続けている影響で、「18金(K18)」のアクセサリーに改めて注目が集まっています。見た目の高級感に加え、日常使いしやすい耐久性も持ち合わせており人気ですが、「18金だから大丈夫」と油断すると、知らないうちにくすんだり、赤っぽく変色したりしてしまうことも。とくに汗をかきやすいこれからの季節は、使い方や保管の仕方が重要です。そこで、ブランドリユースショップ「ロデオドライブ」を展開する株式会社アールケイエンタープライズ店舗事業本部部長の原田さんに、“正しい知識を持つプロ”の視点で、18金アクセサリーとの向き合い方を伺いました。
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18金は「丈夫」だけれど「無敵」ではない
18金とは、全体の75%が純金(ゴールド)で、残りの25%に銀や銅などほかの金属が混ぜられた合金です。18金はほど良い硬さがあり、ジュエリーとしての強度と輝きのバランスが取れた素材として重宝されています。また、金の含有量が多いためさびにくく、変色(酸化)しにくいのも特徴です。
ですが、それはあくまで「比較的安定している」という話で、適切なケアをせずに“放っておいても大丈夫”というわけではありません。実際には表面が黒ずんだり、赤っぽくなってしまったりすることがあります。これは混合されているほかの金属成分が反応して、変色(酸化)している状態です。
このようになってしまうのは、汗や皮脂などの酸や塩分、洗剤・化粧品・香水などの成分、空気中の硫黄や湿気などが主な原因。とくに夏場は、汗や湿気が大敵です。
では、大切な18金アクセサリーが変色・黒ずんでしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。とくに銅が含まれている場合、空気中の酸素や湿気と反応して赤茶色っぽく変色することがあります。これは、毎日身につけていたり、皮脂や汗を長時間つけたままにしたりすると起こりやすくなるそう。
ご家庭での対処方法としては、やわらかい金属用クロスやプラスチック消しゴムなどで、表面の酸化膜を取り除くなどにとどめることがおすすめだと、原田さんは言います。
やりがちな「自己流ケア」…実はリスクも

・金属クロスで磨く
・お酢やレモン汁で洗う
・重曹とアルミホイルで浸ける
こういった対処法は、SNSやインターネットの記事でも多くの情報が出回っています。しかし、すべてのアクセサリーに通用する万能なケア方法は存在しません。これらはあくまで、一時的な対処にすぎず、アクセサリーにダメージを与える危険性もはらんでいます。
たとえば酸による洗浄は、金の表面が一時的にきれいになることがありますが、宝石(パールなど金属以外のそのほかの素材を含む)がセットされたジュエリーの場合、宝石自体が変色・劣化するおそれがあります。そのため、繊細な素材には厳禁です。
重曹とアルミホイルを使った方法は、化学反応を伴うため、合金バランスによっては変色を助長することも……。金属クロスでのケアも、ピカピカになるからと力強く磨くと、表面の金が薄くなったり、細かな傷がついたりするなど、元に戻せないトラブルに発展するケースもあります。
金属に関する反応は非常に繊細で、組成や使用状況によって、症状もケア方法も異なります。自己判断で処理するのはリスクが高く、最悪の場合は取り返しがつかなくなることも。高価なアクセサリーだからこそ、触らずプロの元へ持ち込むという選択が、結果的に最も安全です。