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コバエが発生しやすい家の特徴 発生源を絶つために見逃してはいけないポイントとは プロが解説
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教えてくれた人:伊藤 まき

網戸をしめていても、虫除けをしていても、いつの間にか部屋の中に侵入しているコバエ。高温多湿を好むことから、5~10月にかけてが最も繁殖しやすく、なかでも6月が一番発生するともいわれています。短期間であっても放っておくと大繁殖してしまうことも。コバエのいない清潔な部屋を保つためには、何をすればいいのでしょうか。清掃のプロとして活躍した経験を持つ、整理収納アドバイザーの伊藤まきさんにお話をうかがいました。
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生ゴミが出たらすぐに密閉を
日本で見られるコバエで代表的なのが、目の赤い「ショウジョウバエ」。主に発酵したものを食べます。体長2~3.5mmと小さく、網戸の目をくぐり抜けて、部屋に侵入してしまいます。
また、黒くて足が長く活発に歩き回る「ノミバエ」は、体長1~5mmと小さく動きが俊敏なことが特徴です。退治をするのが難しく、イライラさせられる方も多いことでしょう。このノミバエは、生ごみや排水口のぬめりなどの腐った臭いに惹かれて飛んでくるといいます。
ショウジョウバエにしろ、ノミバエにしろ、寄せ付けない部屋にするためには、コバエが好む臭いの元を断つことが大切です。
「コバエが発生しやすい場所は、キッチンの排水口や三角コーナーです。とくに夏季は、生ゴミの放置は絶対厳禁。生ゴミが出たらすぐにビニール袋に入れて密封し、臭いが外に漏れないようにしましょう」と伊藤さん。生ゴミが冷蔵できるゴミ箱なども売られているので、虫が苦手な方はこうしたアイテムを使うといいかもしれません。
また、ジュースや食事の残り、お菓子のカスなどを放置するのもNG。とくに気をつけたいのが、調味料です。しょうゆやソースなどを容器から垂れたままにしてしまうと、敏感ににおいを察知してコバエが集まってきてしまいます。
また、お酒や調味料の空きビンに卵を産み付けることも。酒ビンや空き缶、調味料の容器は、洗ってからフタ付きのゴミ箱に入れておきましょう。
排水口のぬめりも、放置しておくと臭いを発するので要注意。キッチンや浴室を使ったら、排水口まわりを丁寧に洗い、除菌や消臭ができる台所用漂白剤を使って、徹底的に臭いを防止するといいでしょう。こうした箇所を放置する家は、コバエが発生しやすくなります。
観葉植物を育てている人も要注意
コバエが好むのは、ゴミだけではありません。集合住宅で暮らす人に人気の、部屋の中で育てる観葉植物もまた、コバエを引き寄せる原因になります。
観葉植物を育てるための土には、腐葉土などさまざまな成分が含まれていて、その中にはコバエが好むにおいを発するものもあります。
また、梅雨時はとくに土が乾きにくく、湿った土はコバエの幼虫にとって最適な成育環境になります。水やりは適度に行い、土の中を腐らせたりしないよう注意しましょう。また、有機肥料を無機肥料に切り替えるなどし、臭いを減らすのも一つの方法です。
ほかにも、注意したいのがカビです。一部のコバエは、カビをエサとして成長するため、カビ対策をすることも大切です。
清潔で、臭いのない部屋を保つ。これがコバエ対策にとって一番有効な対策になることを、覚えておきましょう。
(和栗 恵)
伊藤 まき(いとう・まき)
整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
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