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「他人の家に素足で上がる」のはNG? いまさら聞けない、汗ばむ季節のマナー
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教えてくれた人:和漢 歩実

暑くなってくると、足元のおしゃれとして、素足でミュールサンダルなどを履いてお出かけする機会もあるでしょう。ただ、よその家にお邪魔する際に、素足のまま上がって良いものなのでしょうか。いまさら聞けないマナーについて、元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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マナーとは相手への思いやり
実家など気心知れた人の家に上がるのであれば、とくに気にする必要はないかもしれません。ただ、お呼ばれして他人の家を訪問する際、素足で上がるのは避けたほうが良いでしょう。もちろん、来客が素足で家に上がっても気にしない人はいるかもしれませんが、一般的に「他人の家に上がる際は素足でないほうが良い」とする考えが主流です。
そもそもマナーとは、相手への思いやり。相手の立場に立ち、不快にさせない気持ちが大切です。素足で家に上がると、自分の足裏の汗や汚れを、訪問先の床やカーペットなどにつけてしまうことになります。また、用意されたスリッパがあっても、素足で履くと足裏の汗や汚れが直接ついてしまうでしょう。
訪問の予定がある際は、素足で出かけないようにするのが無難。素足で出かけたい場合は、フットカバーや靴下などを用意していくとスマートです。玄関先で靴を脱ぎ、上がる前に「失礼します」などと言って、さっと着用すると良いでしょう。
訪問先で靴を脱ぐときに気をつけたいこと
夏は汗をかきやすいので、訪問時はインターホンを鳴らす前に、ハンカチなどで汗を拭いて整えましょう。
訪問先の玄関で靴を脱ぐときは、正面(前)を向いた状態で行うのがマナーといわれています。靴の向きを直す手間を省くために後ろ向きで脱ぐ人もいるかもしれませんが、出迎えてくれた人におしりを向けるので、失礼にあたることも。
手間でも、前向きの状態で靴を脱いで、上がったら靴に向き直ってそろえましょう。このときも、出迎えてくれた人におしりを向けることがないよう少し斜めの角度を取って、膝をついてそろえるとスマートです。向きを変えてそろえた靴は、隅に寄せて置きます。
スリッパを脱ぎ履きするときに気をつけたいこと
スリッパを履くタイミングは、靴を脱いでいったん上がり、そろえたあとが良いでしょう。
帰るときは、玄関のほうを向いたままスリッパを脱ぎます。靴を履いたあとに向き直り、スリッパの向きを反対にして、そろえて隅に置きましょう。
脱いだスリッパを重ねて置いたり、スリッパ立てに戻したりすることが、丁寧な振る舞いだと思う人もいるかもしれません。しかし、本来は来客がすることではないとされています。帰宅時のスリッパは、そろえる程度で問題ありません。
ちょっとした気配りで、訪問先の人と心地良い時間を共有しましょう。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾