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「食べられるという発想がなかった」 ドイツ人が日本人に教わった驚きの料理 「気に入りました」と笑顔になった日本食とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ドイツ人の(左から)レフカさんとクリスティーナさん【写真:Hint-Pot編集部】
ドイツ人の(左から)レフカさんとクリスティーナさん【写真:Hint-Pot編集部】

 厳密な品質管理が徹底される日本は、食の安全性においても世界から一目置かれています。だからこそ、海外からの観光客が、日本で定番の食べ物に驚くのも、無理はないのかもしれません。ドイツから日本を訪れた母娘は、日本でのある朝食の一皿に、思わず言葉を失ったといいます。いったい、どんな料理だったのでしょうか。

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長年の夢だった日本旅行を母娘で実現

 ドイツからやってきた、娘のレフカさんと母のクリスティーナさん。3週間かけて、東京や大阪、京都をめぐっています。

「15歳の頃から、いつか日本に行ってみたいと思っていたんです。日本人の友達がいて、日本食や日本の魅力を教えてもらっていて。家でラーメンを作ることもあるんですよ」というレフカさん。社会人になり、ようやく旅費を貯められるようになったことで、長年の夢を実現する決断をしました。

 そんな娘に「一緒に行く人がいなければ、私が行くわよ」と手を挙げたのが母のクリスティーナさん。「毎年、長期旅行をしていますが、普段は北欧などの近場が多いです。日本まで来るのは冒険」と教えてくれました。

初めての生卵体験に驚きと感動

 日本での食事をとても楽しみにしていたというふたり。なかでもとくに印象深かったのが、ホテルの朝食会場で出合った料理でした。

「びっくりしたのが卵です。朝食会場で、これはゆで卵ではないなという卵があって……。どう食べたらいいのか迷っていたら、隣の日本人の方が食べ方を教えてくれました」

 ふたりが口にしたのは、卵かけごはん。母国ではまず見かけませんが、「この食べ方は気に入りました」と娘のレフカさんは笑います。母親のクリスティーナさんも、とても驚いた様子です。

「生卵は食べてはいけないと考えているので、食べられるという発想がなかったわよね」

 多くの国ではサルモネラ菌のリスクなどから、卵は十分に加熱して食べるのが一般的です。ドイツの感染症研究センター(DZIF)は「生または不十分に加熱された卵はサルモネラに汚染されやすく、とくにリスク食品として挙げられる」と警鐘を鳴らしています。

 一方、日本では、生産から流通、販売までの各段階で、衛生管理が徹底されています。日本卵業協会によるとサルモネラ菌の汚染率は0.003%と極めて低い数値です。日本でおいしい生卵を安全に食べられるのは、こうした体制の賜物です。

 旅のなかで出合った、想像もしていなかった食体験。残りの滞在でも、日本ならではの味を存分に楽しんでほしいですね。

(Hint-Pot編集部)