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本物にしか見えない生卵の絵 白身の「とぅるとぅる」がリアルすぎる…作者が語る力作の裏側

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

Yasさんが実際にデッサンの参考にした生卵【画像提供:Yas(@0_skyblue)さん】
Yasさんが実際にデッサンの参考にした生卵【画像提供:Yas(@0_skyblue)さん】

 SNSでたびたび話題になる、写真と見まがうリアルな絵。X(ツイッター)では、本物にしか見えない生卵の絵が話題になっています。投稿者のYas(@0_skyblue)さんに、詳しいお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

驚愕の写実絵 まるで本物の生卵

「生卵のとぅるとぅる頑張ったから見てほしい……(2枚とも絵)」

 そう綴られた投稿には、生卵の画像が2枚並んでいます。新鮮で濃厚そうな黄身がぷっくりと盛り上がり、その周りを透明感のある卵白が美しく覆っていて、とてもおいしそうです。

 光が当たり、黄身と卵白がつややかに輝くそのリアルな質感は、写真だと錯覚してしまうほど。実は両方とも絵だと知って、驚いた人も多いでしょう。

 投稿は大きな反響を呼び、18万件の“いいね”を集めました。リプライ(返信)には「え、え? 絵?」「(写実絵画専門美術館の)ホキ美術館ばりにすごい!」「マジ天才」「見事すぎてもう言葉が見つからない」など、賛辞があふれています。

 なかには「左を見て右を描いたって話かと思いきや、両方ですか!」と、混乱混じりの声も寄せられました。

「とぅるとぅる」質感へのこだわりと幼い頃から培われた描写力

yasさんが描いた、まるで本物のような生卵【画像提供:Yas(@0_skyblue)さん】
yasさんが描いた、まるで本物のような生卵【画像提供:Yas(@0_skyblue)さん】

 絵を描いたり、写真を撮ったり、アーティストとして活躍しているYasさん。絵を描き始めたきっかけは、幼い頃に通った近所の幼児絵画教室です。

「とても楽しく、自由に絵を描かせてくれるおばあちゃん先生の絵画教室でした。プロの腕前を持つ、絵がうまい先生で、幼い私にリアルな雲の描き方を熱心に教えてくださったことを、今でも鮮明に覚えています」

 美術大学を卒業し、今でも日々、描写力の鍛錬を積んでいるYasさん。今回、生卵を描こうと思ったのには理由がありました。

「生卵独特の白身の透明度を絵で表せるか、黄身の丸み感をうまく出せるか、自分の描写力を確かめたかったんです」

 制作にかかった時間は、3~4時間ほど。とくに注力したのが「とぅるとぅる」と輝く質感です。Yasさんは、「色と色が交わり合う境目のグラデーションを、いかに美しくなじませるかにこだわりました。グラデーションがうまくいくと、映り込み部分のリアリティがより増すからです!」と語ります。

 制作にはiPadと、イラスト制作アプリ「Procreate」を使用。工程の一部を、メイキング動画で発信しています。

 Yasさんは著書「誰かが世界を青に染める実験をはじめた」(KADOKAWA刊)、「本物そっくり!リアル絵の描き方 写真みたいなイラストが描ける全プロセス」(翔泳社刊)、「青い夜の雑貨店 Yasイラストメイキングブック」(玄光社刊)などでも、その高い技術や独特の世界観を発信しています。

(Hint-Pot編集部)