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「かなり注意しないと…」 オーストラリア人が困惑 訪日リピーターでも戸惑ってしまう場所とは
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時間通りに来る電車、静かな車内――外国人観光客にとって、日本の公共交通機関は驚きの連続です。安全で便利な公共交通機関ですが、日本好きなオーストラリア人女性は、母国ではあまり気にしないようなことに、日本では自然と気を配って行動しているといいます。いったい、どのようなことなのでしょうか。
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緑やベンチが少ない都会の印象
オーストラリア第2の都市、メルボルンからやってきたアミリアさんとルーシーさん。アミリアさんは3度目、ルーシーさんは2度目の訪日です。今回はふたりでノルウェーへ向かう旅の途中に立ち寄り、短い日本滞在を楽しんでいます。
そんなふたりが気になったのは、母国では当たり前にある座れるスペースが、日本ではほとんどないことでした。
「街中に、芝生とかちょっと座れる場所があまりないなって。オーストラリアは土地が広くて、人も少ないから、都会でも、座って休憩できるエリアがけっこうあるんだよね」とアミリアさん。
実は都心であっても、緑地や公園は少なくありません。たとえば渋谷区立宮下公園は、緑や広場を備えた複合施設としてリニューアル。都会の真ん中にいながら、自然と調和できる憩いの場となっています。
アミリアさんは「(自分たちが)知らないだけで、きっとあるはず」と、次の訪日した機会に発見したいと期待していました。
「人が多いことにも慣れていないから」
そんな日本慣れしているふたりには、何度来ても困惑することがあるそうです。
「これはGoogleがないと迷子になるな、と思って。とくに地下鉄の大きな駅は複雑で、どの出口から出たら良いのか、かなり注意して進まないといけない。人が多いことにも慣れていないから、余計に集中しないと迷子になっちゃう(笑)」
日本の大都市の駅の構造に戸惑いをのぞかせたのは、アミリアさんでした。
日本の駅の複雑さは、場所によってはダンジョンにたとえられます。たとえば新宿駅は、1日あたり2022年に世界一乗降客数が多い駅としてギネス記録に認定されたほど。乗り入れ路線数が多く、再開発を繰り返してきた影響で、改札や階層が縦横に広がります。渋谷駅や東京駅なども複雑な多層構造を持つため、地下から地上へ向かう出口選びに戸惑う人は少なくありません。外国人観光客だけではなく、日本人でも普段利用しない駅では迷ってしまうこともあるでしょう。
一方で、欧米諸国の鉄道駅は、日本の都市部に比べると構造がシンプルな場合が多く、迷うような複雑な通路や分岐はあまり見られません。とくにヨーロッパの多くの都市は古くからの駅舎を維持しており、路線の交差があっても構造的には単純なケースが一般的です。
どんなに慣れ親しんでいても、ふとした瞬間に気づく母国との違い。そうした発見を重ねながら次の訪日でも、また新たな日本を楽しんでくれると良いですね。
(Hint-Pot編集部)