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ゴキブリを1匹退治→「100匹いる」といわれるのはなぜ? 見逃せない、潜んでいるサインとは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ゴキブリの駆除に手を焼くことも(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ゴキブリの駆除に手を焼くことも(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ゴキブリは高温多湿の環境を好み、夏に活動が活発になるといわれています。繁殖力が強いことから、家の中に「ゴキブリが1匹いたら100匹いる」といわれますが、本当なのでしょうか。また、家の中にゴキブリが潜んでいるサインとは? “遭遇”した際の退治のコツも含めて、虫ケア用品最大手・アース製薬株式会社の担当者さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

クロゴキブリの繁殖力と産卵方法

「ゴキブリが1匹いたら100匹いる」といわれますが、実際に100匹いるというわけではありません。そうたとえられるようになった理由については、一般家庭で遭遇しやすいクロゴキブリの繁殖力と産卵方法が関係していると考えられます。

 クロゴキブリが、卵から孵化するまでにかかる期間はおよそ1か月です。幼虫から成虫になるまで8~12か月かかります。成虫になると、メスは複数の卵が入った「卵鞘(らんしょう)」を産みます。大きさは約10ミリ×約5ミリ、黒褐色の硬い殻で覆われています。

 この卵鞘には22~26個の卵が入っていて、一生に15~20回産みます。成虫になってからの寿命は6~7か月です。仮に、1匹のクロゴキブリのメスが、25個の卵が入った卵鞘を半年の間で20回産むとしたら、実際は異なりますが、単純計算では500匹になります。

 このように、複数の卵が入った卵鞘を産むことから、「1匹いたら100匹いる」という説が広まったのでしょう。

卵鞘の対処法やクロゴキブリがいるサインとは

 もし、家の中で卵鞘を見つけた場合、薬剤を使用しても、中の卵は硬い殻で覆われて保護されているため、効果は期待できません。ゴム手袋などを装着して取り除き、ビニール袋に入れてつぶしましょう。つぶすのに抵抗がある場合は、ビニール袋を二重にして燃えるゴミとして出してください。そして、卵鞘があった場所を、アルコールスプレーなどで消毒しましょう。

 また、家の中に茶色いインクのような細かいシミがたくさんあれば、クロゴキブリの排泄物が付着した「ローチサイン(ゴキブリのフンによる跡)」の可能性があります。ローチサインとともに、黒や茶色の直径1~3ミリ程度のコロコロとしたフンが落ちている場合もあるので、見逃さないでください。

 これらは、クロゴキブリの潜み場所や通り道である、キッチンの引き出しやシンクの下、食器棚、冷蔵庫周辺で見つかることが多いです。放置しているとほかのクロゴキブリが集まってきてしまうため、もし見つけたら速やかに取り除き、アルコール消毒をすると良いでしょう。

退治するときに狙うポイントは「頭」

 ゴキブリが出たとき、慌てて新聞紙を丸めて叩こうとしたり、スプレーをかけたりした瞬間に逃げられてしまった……という経験をした人は、少なくないでしょう。ゴキブリは、おしりにある尾毛で空気の動きを感じると、すぐに逃げていきます。

 ゴキブリは前にしか進めない習性があるため、駆除の際は頭の前方を狙うと良いでしょう。また、ゴキブリが逃げ込んだ場所に、待ち伏せタイプやバリアタイプのスプレー剤をかけておくと、あとでゴキブリがその場所を通るときに駆除できます。

 ほかにも、1プッシュするだけで、奥に潜むゴキブリの予防や退治ができる薬剤などもありますが、使用時には注意が必要です。パッケージの裏面にある「使用上の注意」をよく読んで、正しく使いましょう。

※6月30日午後8時15分に記事の一部を修正しました。訂正してお詫びします。

(Hint-Pot編集部)