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「大葉」を「青ジソ」と呼ぶのは間違い? 意外に知らない呼び分けの理由 栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実

さわやかで清涼感のある香りが魅力のシソ。食欲が落ちやすい暑い季節、料理のアクセントにぴったりです。「大葉」と呼ぶこともありますが、違いはあるのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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シソは漢字で書くと「紫蘇」
シソには「赤ジソ」と「青ジソ」があります。漢字では「紫蘇」と書くように本来、シソは赤ジソを指す言葉でした。青ジソは、赤ジソの変種といわれています。青ジソが通年店頭で販売されるようになった頃から、「大葉」の名で見かけることが多くなりました。
色の違いで「赤ジソをシソ、青ジソを大葉」と呼ぶと思われやすいのですが、実際はそうではありません。大葉は、青ジソの「葉」の部分を指した呼び名です。
シソは葉だけでなく、芽や花穂、実も食用されます。刺身のつまや飾りとして、昔からよく使われてきました。たとえば、芽の段階では「芽ジソ」で、赤ジソなら「紫芽」、青ジソなら「青芽」、花やつぼみは「花穂ジソ」、花が咲いたあとにできる実の部分は「穂ジソ」と、それぞれ呼び名があります。
そこで、家庭料理にもよく使われる青ジソを「葉」の部分とわかるようにするために、「大葉」の名称が使われるようになりました。一説には、出荷業者が大葉と表示したのがきっかけで広まったといわれています。
したがって「シソ」と「大葉」の違いでいうと、シソは総称で、赤ジソと青ジソがあり、大葉は青ジソの葉の部分を指す名称です。もちろん、緑色のシソの葉を「大葉」ではなく「青ジソ」と呼んでも、間違いではありません。