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「大葉」を「青ジソ」と呼ぶのは間違い? 意外に知らない呼び分けの理由 栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

古くから親しまれてきたシソは栄養豊富

 シソは、縄文時代の遺跡から種実が出土するなど、日本人に古くから親しまれてきた植物です。栽培が始まったのは平安時代。薬や漬け物に用いられたと伝えられており、“和ハーブ”の代表といっても良いでしょう。

 シソの注目成分は、ポリフェノールの一種で香り成分のペリルアルデヒドです。抗菌作用や防腐効果、食欲を増進させる効果があるといわれています。暑さによる夏バテや、食中毒が気になる季節に活用したい食材です。

 とくに青ジソ(大葉)は、皮膚や鼻、目の粘膜を守り、免疫機能の維持に欠かせないβカロテンや、骨や歯を作るカルシウムの量が、野菜のなかでもトップクラス。エネルギー代謝に必要なビタミンB2も多いです。

 一方、赤ジソは、青ジソと比べるとβカロテンの量が少ないですが、赤い葉にはアントシアニンと呼ばれるポリフェノールの一種が豊富です。抗酸化作用があり、目の健康に良いと期待されています。

シソは冷凍保存も可能

 シソは店頭だと10~20枚入りで売られていることが多いため、一度に使い切れず、余ってしまうことがあるかもしれません。鮮度が落ちると、香りがなくなり、変色しやすくなります。

 使い切れない場合は、水で湿らせたキッチンペーパーに葉を1枚ずつ挟み、密封容器やジッパー付き袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。または、軸部分を少しカットして、浸かる程度の水を入れた瓶に軸を立てたら、フタ(食品用ラップ)をして冷蔵庫で保存すると良いでしょう。比較的、長く鮮度を保つことができます。

 冷凍保存もできます。水洗いし、水気を十分に取ったら、ざく切りやみじん切りなど、調理に使いやすい形にカット。あとは、冷凍用の密封袋などに入れて、冷凍庫で保存しましょう。使う際は、使う分だけ手早く取り出します。冷凍庫から出すとすぐに解凍されてしまうので、注意しましょう。

 大量にある場合は、風通しの良い日陰で乾燥させて、お茶として飲むのも良いでしょう。乾燥バジルのように細かくして、スパイスとしても活用できます。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾