ポールを掴むように勧めたつもりがエスコートすることに

　電車のなかでの小さな親切は、してもらっただけでなく、それを見聞きした周りもハッピーな気持ちにさせてくれます。年配の女性に声をかけたところ、思わぬ展開になったという実体験をまとめた4コマ漫画が大きな話題となっています。作者に聞きました。

　◇　◇　◇

　現在は、地元茨城県にUターンし、友人の酒造会社で働いているというふじっぴ（@genkinibocchi）さん。ある日、山手線で移動していたところ、着物を着た年配の女性を見かけました。女性は着物のため吊り革にも掴まれず、電車が揺れるたびにバランスを崩していたそう。そこで、ドア付近に立っていたふじっぴさんは、「良かったらここ（ポール）につかまってください」と提案をしたそうです。

　するとその女性は「あら、ありがとう」と言って、ふじっぴさんの方へ近づいてきましたが、なんとポールを掴むかと思いきや、ふじっぴさんの腕をつかみました。ふじっぴさんは思わぬ展開に少々驚きつつも、何も言えず……。そのまま掴まってもらい、女性が降りる駅までエスコートをしたそうです。

　そんな出来事をSNSで呟いてみると、予想以上の反響を呼び、4コマ漫画にしてみることにしました。すると、文字だけで投稿した時の何倍もの勢いで「いいね」が集まりました。

　漫画には描かれていませんが、女性に目的地を聞いたところふじっぴさんが下りる予定の駅より3つ先の駅だったそうですが、次の予定まで時間に余裕があったので、降車駅の改札までお見送りをしたのだとか。女性は、ふじっぴさんの親切な行動を大変喜び、改札を出たあともニコニコと手を振り続けてくれたそう。話し方から仕草まで、すべての品が良く、とても素敵な女性だったといいます。

　この心温まる何気ないエピソードは大きな反響を呼び、「やさしいせかい」「ほっこりした」「2人ともかわいい」など多くの声が寄せられ、「私自身も心が温かくなりました。こういった温かい気持ちをたくさんの方と共有できたことがうれしかったです」とふじっぴさん。

　日本人はシャイだから、他の国に比べ公共の場で親切にしているところを見かけることが少ないと言った意見も聞かれますが、実は多くの人が小さな親切をしていたり、し合いたいと思っているのかもしれません。

（Hint-Pot編集部）