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「全然意味がわからないんだけど」 アメリカ人の夫に言ったら鼻で笑われたひと言 理数系に関する日本人妻の思い込みとは
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国際結婚カップルの場合、なにげない会話から価値観などが大きく違うことに気づく瞬間があります。アメリカ・ハワイのロコ(地元民)と結婚し、現地で2人の子どもを育てている46歳・主婦ライターのi-know(いのう)さん。あるとき、夫に「女の人は数学が苦手」と言ったら、半笑いされた経験があるそう。第54回は「理数系=男子は刷り込み!?」がテーマです。
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「No way!」 夫が半笑いで否定したこと
ある日、夫と話していたとき、当たり前のように「ほら、男の人は数学に強くて、女の人は数学が苦手じゃん?」と話したら、「え!? それどういう意味? 全然意味がわからないんだけど」と返されました。
私の英語がつたなくて意味が伝わらなかったのかなと思い、言い方を変えて「女性より男性のほうが、計算とか数字が得意でしょ」と言ったら、即座に「No way(まさか)!」と、半笑いで全否定されました。
夫いわく、なんとアメリカでは「数学は男性より女性のほうが得意なもの」と認識されているそうです。さらに「その証拠に、公認会計士は女性のほうが多いよ」とたたみかけられて、驚きました。
さっそく調べてみると、アメリカにおいて、2020年の会計士および監査人は59.7%が女性でした(アメリカ労働統計局の公式ウェブサイトより)。それに対し、2022年の日本の女性公認会計士は16.1%(日本公認会計士協会の公式ウェブサイトより)です。
幼少期の刷り込みで価値観を狭めないよう気をつけたい
幼少時代から日本で学生生活を送ってきて「女子は理数系が苦手。男子は理数系が得意」と何度、耳にしたことでしょう。大学受験を考える時期には、「理数系の学部は男子か、飛び抜けて頭の良い女子が行くところ」というイメージが完全に刷り込まれていたように思います。
巷では、アメリカの大学受験が日本と同じような一発勝負のペーパーテストだったら、理数系学部は男子のほうが多くなるのではないかという説もあるようです。しかし、家庭レベルで私が実感させられたのは、「学校や親からの刷り込みは良くない」ということです。
日本も、そういった価値観の刷り込みなしに、自分の興味や好きを優先して進路を考えられる環境になればいいのに……と思います。とはいえ、もし今、刷り込みのない状態で学生時代に戻っても、私は決して理数系を選びませんが……(笑)。
ただ、5歳の娘に関しては、親の価値観の刷り込みで可能性を狭めてしまわないよう、気をつけたいと思っています。
日米夫婦といえば、価値観や文化の違いで、トラブルが起こりやすいイメージを持たれがち。しかし、文化の違いを知って初めて、自分の視野の狭さに気づけることもある――と、なにげない夫婦の会話から思い知らされた出来事でした。
(i-know)

i-know(いのう)
大学卒業後、フリーランスライターに。お笑い雑誌やファッション誌で、著名人のインタビューを中心に活躍。34歳のとき日本のキャリアに一区切りをつけ、単身ニューヨークへ。その後、ハワイのロコ(地元民)と結婚し、現在は2人の子ども(8歳、6歳)をバイリンガルに育てるべく奮闘している。