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更年期とどう向き合う? 医師がすすめる、50代女性の人間ドックのオプション検査
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教えてくれた人:高木 謙太郎

50代女性は、更年期を迎えるとさまざまな不調が心身に現れるほか、がんや骨粗しょう症などのリスクも高まる年代です。そこで、病気の早期発見につながる人間ドックの受診を考えている人もいるでしょう。その際、オプション検査を追加する必要はあるのでしょうか。また、追加するとしたら、どんな検査を選べば良いのでしょうか。50代女性の体の傾向や受けるべき検査について、四谷内科・内視鏡クリニックの総合内科専門医の高木謙太郎院長に教えていただきました。
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50代女性はホルモンバランスが急激に変化! 骨密度の低下も進む
50代女性の場合はとくに、閉経に伴うエストロゲンの減少が大きく影響し、筋力や基礎代謝の低下により、太りやすくなる傾向にあります。また、骨密度の低下が進み、骨粗しょう症のリスクが高まることも特徴です。
そのほかに見られる体の変化としては、慢性的な疲れや肩こり・関節痛、睡眠の質の低下など。さらに、皮脂の分泌が減少することで、肌の乾燥や、髪のハリ・コシの低下も目立つようになります。
こうした変化に対応するためには、日々の生活習慣を見直し、健康維持のための対策を取り入れることが重要です。
具体的には、食生活でたんぱく質やカルシウム、ビタミンDを意識的に摂取し、骨や筋肉の健康を維持することが求められます。また、ウォーキングやストレッチなど軽い運動を習慣化し、筋力を維持するのも効果的。さらに、ストレス管理を意識して、リラックスできる時間を確保しながら、十分な睡眠をとるようにしましょう。
50代女性が必ず受けておきたい、人間ドックのオプション検査とは?
そのような日常的な健康管理とともに、健康診断などで定期的に体の状態を知ることが大切です。50代女性が人間ドックを受ける際、オプションで追加してほしい検査は次の3つです。
1. 骨密度検査(骨粗しょう症予防)
女性は閉経すると骨密度が急激に低下し、骨粗しょう症のリスクが高まります。そのため、骨密度検査を受けて、骨の健康状態をチェックすることが大切です。必要に応じて、カルシウムやビタミンDの摂取をすることで強化でき、骨折の予防になります。
2. ホルモン検査(更年期症状のチェック)
更年期に伴う体調不良の原因は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少によるものが多いです。ホルモン検査を受けることで、現在のホルモンバランス状態を把握し、必要に応じてホルモン補充療法(HRT)などの対策を検討できます。更年期の症状が気になる場合はとくに、オプションの追加をおすすめします。
3. 動脈硬化検査(心血管疾患予防)
50代になると、動脈硬化のリスクが高まり、それが心筋梗塞や脳卒中の原因となることもあります。そのため、頸動脈エコーや血管年齢測定で、血管の状態をチェックするようにしましょう。生活習慣の改善や、適切な治療を検討できます。これまでに高血圧やコレステロール値の異常を指摘されたことがある人は、オプション検査の追加を検討しましょう。
50代女性の体は、加齢やホルモンバランスの変化により、さまざまな不調が現れやすくなっています。上記3つのオプション検査は、できる限り受けていただくことをおすすめします。
また、胃カメラや大腸カメラは、胃がんや大腸がんを含む消化器官の疾患を早期に発見できる重要な検査です。これらは40代・50代ともに罹患リスクが高まるため、定期的に受けるようにしましょう。
(Hint-Pot編集部)