高齢の夫婦が長年使ってきたナショナル（現パナソニック）のエアコン。今年の夏が始まる前に、買い替えのため区切りを付けました。約40年間、現役バリバリで活躍。エアコン業者のSNS投稿が反響を呼び、「昔の家電ってすごいですね」「本当にお疲れ様でした」など、国産家電の品質の高さが改めて話題になりました。投稿者に話を聞きました。

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「冷房付けたらキンキンに冷えたぞ」

「おまえナショナルなんだな。
ナショナルでこの形を見るのは初めてだぞ。
ご高齢のご夫婦が人生の半分は共にしたと思うって仰ってたがお前は一体何年製だ？
現役だったなんてやるじゃねーか。
冷房付けたらキンキンに冷えたぞ。
息子さんにエアコン買ってもらったから交換することにしたって言ってたが名残惜しそうだったぞ。
よく頑張った。
お疲れ様」

　X（ツイッター）に投稿したのは、末端エアコン業者【仮】（@endaircontrader）さん。2012年から家電配送・エアコン工事に携わっています。

　今回、リサイクル回収することになった古いエアコン。年代物ですが、つやを保っており、状態のよさが伝わります。裏側には「松下電器産業株式会社」のメーカー名で、「ナショナル ルームエアコン」の名前が表示されています。

　依頼主の夫婦は70代後半から80代くらいだったそうで、「エアコンには何年製と記載がなかったので分かりませんが、40年前後はたってるのではないかと思います。ご夫婦が人生の半分を共にしたとおっしゃっていたので、40年くらいはご使用されてたかと思います」。一家を支えてきたエアコンと言えます。

　実際に冷房機能は健在で、処分するのが惜しいぐらいの本体。今年6月に回収を行い、丁重に取り扱ったそうです。「ナショナルに限らず、昔の家電は壊れづらく長持ちという印象です。最近のものは買い替えサイクルを早めさせるためなのか、わざと壊れやすいようにしてるのではと思ったりもします。大半が海外で作られ安く売られているのでしょうがないとは思いますが、、、」。業者としての思いを語ります。

　投稿は1万件の“いいね”を集める大反響です。「それだけ長い間使われてたら、さぞ想い入れもあったでしょうね。そしてまだ現役だったこともすごい！」「敬礼ものですわ」「本当にお疲れ様でした。お別れが寂しくなりますね。どこかで保存しておきたいような」と、感動がじわじわ。「良いもの過ぎると買い替えサイクル長くて売り上げ的には良くないんだろうけど、昭和のナショナル製品って凄いものだったんだと思う」「昔の日本製家電って本当、壊れにくいですよね」「エアコンではないですが、実家ではナショナルの電子レンジ エレックさんがまだ現役で働いています。多分昭和51年とか52年製だと思います。昔の家電ってすごいですね」など、当時の日本メーカー製品を評価する声が多く寄せられています。

　また、「実家にあったやつと同じだ！！　うちも最後は28度設定でも20度切るぐらいガチガチに冷えましたw　確か30年は使っていたと思います」「弊社の待機室でも現役で動いています」と、同様のモデルがまだまだ頑張っているという報告も。

　ほかにも、「昭和58年に購入した三菱重工業のビーバーエアコン…昨年買い替えました。41年故障しませんでした。普通リモコンがいかれますが…当時はリモコンなくて壁に設置した物理スイッチだったのでIC基盤が壊れてリモコンが駄目にならなかったから長生き出来ました」「今は使ってない部屋に付いてるけど、三菱製の紐を引っ張る型は、恐ろしく冷える　50年位前のやつです」といった、“長寿ぶり”を伝える声も届けられています。

　今回のバズりを通して、古き良き日本製品の素晴らしさが再認識できました。末端エアコン業者さんは「今回のポストを機に、さらにエアコンに関心を持っていただき、エアコン業界の実態、エアコン業者の選び方、エアコンの買い方など発信していければと思っております」と話しています。

（Hint-Pot編集部／クロスメディアチーム）