からだ・美容
汗の臭いとは違う“夏バテ臭”とは? 体が疲れると発生する原因と予防する3つの習慣 専門家が解説
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教えてくれた人:関根 嘉香

“夏バテ臭”をご存じですか? 東海大学理学部教授・関根嘉香先生によれば、“汗の臭い”と混同されることもありますが、実はまったく違うものだそうです。いったい、どんな臭いなのでしょう。“夏バテ臭”が発生しやすい人の特徴や予防対策などとともに、詳しく教えていただきました。
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炎天下の外出が多い人は“夏バテ臭”に気をつけて!
“夏バテ臭”とは、夏の高い気温やジメジメした湿気、さらには紫外線などの影響によって、体が疲れたときに発生する臭いのことです。夏の“疲労臭”とも言います。
“夏バテ臭”の原因であるアンモニアは、誰からも日常的に発生しています。しかし、家の中でも不快指数が高い部屋にいたり、夏の外出の際に日向を長時間歩いたりすると、より発生しやすくなります。また、生活習慣や腸内環境、緊張・不安などの心理的状態も、アンモニアの発生に関係しています。
高温多湿の季節に、体や心が疲れてしまうと、アンモニアの鼻にツーンとくる刺激臭を有する皮膚ガスが多く発生するのです。
“夏バテ臭”は汗の臭いと、どう違う?
「夏は、汗の臭いが気になる」という人も多いと思いますが、汗はもともと無臭です。発汗したあとに汗を放置すると、皮膚常在菌が汗や皮脂、角質などに含まれる成分を分解し、劣化した納豆のような、臭い汗臭を生じます。ただし、この汗臭は、体を拭くなどすれば落とすことができます。つまり、汗をかいたらこまめに濡れたタオルやハンカチ、ウェットシートなどで拭いてあげれば、防げるということです。
一方で、“夏バテ臭”は汗臭と別物で、原因となるアンモニアが血液中から皮膚表面に移動し、皮膚表面から発生してきます。発汗に伴い、発生量が増えることはありますが、基本的には体の内部から染み出してくるので、体を拭いても、ほとんど落とすことができません。
こうして発生した“夏バテ臭”に、汗をかいて放置したとき時に生じる汗臭が混ざると、さらに体臭がきつくなることもあります。
