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周期の整った月経はあっても排卵が起きていない場合も…妊活で見過ごしやすい症状とは
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教えてくれた人:小松原 千暁

子どもを授かりたい女性にとって、生理は体調管理の目安のひとつといえるでしょう。しかし、生理があるからといって、必ずしも妊娠できるというわけではありません。出血が生理によるものではなかったり、排卵が起こっていなかったりするケースもあるようです。不妊症看護認定看護師の小松原千暁さんに伺いました。
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生理があっても排卵していない場合がある
女性の体は、正常範囲でいうとおよそ25~38日に1度、卵巣から卵子が排出される排卵が生じます。同時に子宮内では、受精卵をしっかりと着床させるため、内膜に厚みができます。しかし、卵子が受精しなかった場合や、受精したけれど着床しなかった場合、この厚くなった子宮内膜は不要になるため、はがれ落ちて体外に排出されます。これが月経(生理)です。
ただ、月経のような出血があっても、実は排卵が起きていないこともあります。これは「無排卵性月経」と呼ばれ、排卵が起きずに子宮内膜だけがはがれ落ちるもの。通常の月経のような出血が見られるため、区別がつきにくいのが特徴です。
無排卵性月経は、一般的には月経周期が極端に不規則な人に起こりやすいと考えられています。個人差はありますが、たとえばある月は24日以内の「頻発月経」、次の月は39日以上の「希発月経」といったばらつきがあるなど。頻発月経では、月経量が極端に少なくナプキン交換の必要がほとんどない「過少月経」、2日以内に月経が終わってしまう「過短月経」が起こりやすいです。また、希発月経では、1時間おきにナプキンを変えても間に合わないような「過多月経」、8日以上続く「過長月経」が起こりやすく、無排卵性月経の可能性があります。
月経周期が整っている人でも、無排卵性月経が起こっていることがあります。たまに起こることもあれば、慢性化していることもあり、とくに自覚症状もないため「妊娠できない原因がわからない」と医療施設で検査をして、初めて判明することもあるのです。
月経で不安に感じることがあれば、早めの受診を
排卵しているかどうかの自己判断は難しいですが、基礎体温をつけることが大きな手がかりになります。正常な排卵が起こっている場合、「低温期」と「高温期」の二相性を示します。低温期は月経が始まってから排卵までの体温が低い時期、高温期は排卵後から次の月経までの体温が高い時期です。
たとえば基礎体温がずっと低いままの状態なら、無排卵の可能性があります。このときに月経のような出血があっても、それは無排卵性月経によるものかもしれません。
ご自身の月経について不安に感じることがあれば、子宮や卵巣などに病気が隠れていることもあるため、早めに婦人科や不妊症専門の医療施設を受診することが大切です。