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からだ・美容

周期の整った月経はあっても排卵が起きていない場合も…妊活で見過ごしやすい症状とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:小松原 千暁

無排卵性月経の主な原因とは

 無排卵性月経は、ホルモンバランスや卵巣機能の低下によって起こります。主な原因は次の通りです。

○過剰なストレス
 女性ホルモンの分泌に関わる脳の視床下部と下垂体は、ストレスの影響を受けやすい場所です。過剰なストレスでホルモンが分泌されず、無排卵になることもあります。趣味などでリラックスできる時間を作りましょう。

○過度なダイエット
 過度なダイエットで体重が減少すると、生きるために体が身体機能の維持を優先するため、排卵に必要なホルモン分泌が後回しになってしまいます。痩せすぎの場合は、BMIを18.5~24.9(理想は22)に上げられるように栄養バランスの良い食事と、ウォーキングなどの適度な運動を心がけてください。

○PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)
 PCOSとは、卵巣の働きを促すホルモンが過剰に分泌され、男性ホルモンが増えすぎることで多数の卵胞ができてしまい、十分に成熟できず排卵しにくくなる病気のこと。治療方法として、飲み薬や注射薬が選択されるのが一般的です。

○甲状腺疾患
 甲状腺の機能に異常があると、全身の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンの分泌が減少または過剰になり、卵胞の発育や排卵にも悪影響が。内服治療で改善を目指します。

○高プロラクチン血症
 血中のプロラクチン(乳汁分泌ホルモン)と呼ばれるホルモンの値が、異常に高い状態をいいます。母乳を作る役割を担っている一方で、排卵を抑える働きもあるため、妊活中にプロラクチンが必要以上に分泌されると月経不順になったり、排卵が起きにくくなったりすることが。改善には内服治療を行います。

 このように、無排卵性月経ははっきりとした自覚症状がないことが多く、生理のような出血があるため、気づかずに放置してしまいがちです。しかし、排卵を伴っていないので、妊娠を望む場合はもちろん、将来の健康を考えるうえでも早めの対処が大切です。

 繰り返しになりますが、月経の様子で気になることがあれば自己判断せず、専門の医療施設に相談してください。

(Hint-Pot編集部)

小松原 千暁(こまつばら・ちあき)

不妊症看護認定看護師、生殖医療コーディネーター、妊活支援ナース育成コーチ、日本生殖看護学会理事。不妊治療の専門クリニックに約20年間勤務した経験より、日本の性教育に妊娠する力の妊孕性(にんようせい)に関する情報が少ないことを実感。現在は生殖医療の看護師を指導する一方で、不妊治療を受ける患者さんや若い世代に向けて、自ら選択できるように妊活の正しい知識を広める活動を行う。妊活についての情報サイト「妊活の歩み方」でお役立ち情報を発信中。