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妊活中の男性は「膝上パソコン」に要注意 精巣機能を高めるためにやってはいけない意外なこと
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妊活中の生活習慣といえば、女性が注目されがちですが、実は男性も大きな影響を受けることがあります。とくに精子を作る精巣は、温度の影響を受けやすい繊細な器官です。日常的についやっていることが、妊活中はNGということも。不妊症看護認定看護師の小松原千暁さんに、妊活中の男性が気をつけたいことについて伺いました。
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精子の最適環境は約33度 「温めすぎ」に注意
男性の精巣機能は、温度に大きく依存します。妊娠を目指す女性の場合は「冷え」が大敵とされますが、男性の場合は下半身の「温めすぎ」に気をつけたいところです。精巣の状態が体温よりも約2~4度低い温度(約33度)に保たれていることが、精子を作るために適した環境とされています。
睾丸を覆っている陰嚢の体温の中央値が、日中1度増加するごとに、精子濃度が40%減少したという研究報告もあります。精巣の温度が上昇する環境では、造精機能が障害を受け、男性不妊に至る可能性があると言えるでしょう。したがって妊活中の男性は、下半身を温めすぎない生活習慣が大事になります。
「温め」というと、お風呂やサウナを思い浮かべる人も多いと思います。入浴は適温であれば問題ありませんが、熱いお風呂に長時間浸かることは避けましょう。サウナはたまに行く程度ならば良いですが、妊活中の男性が毎日通うことはおすすめしません。
現代は、入浴やサウナ以外に、知らないうちに下半身を温めている習慣や環境が多く存在します。
膝上でノートパソコンを使わない
気をつけたいのは、ノートパソコンの使い方です。とくに最近ではリモートワークが増え、自分用を持っている方も多いでしょう。パソコンは稼働の際に積極的に熱を発生するため、動作中の温度がとても高くなる可能性がある点に注意が必要です。
ある調査では、男性が膝の上にノートパソコンを置いて長時間作業すると、陰嚢および精巣の温度上昇を引き起こすという結果が出ています。もしノートパソコンを膝の上で使う習慣があれば、見直すことをおすすめします。
温めの観点とは異なりますが、パソコンや電子機器でいえば、電磁波の影響も気になるかと思います。近年、携帯電話から発せられる電波が男性の不妊症に関係があるかもしれないといった論文が報告されています。
妊活中の男性は、パソコンを膝上にのせないのはもちろん、スマホをズボンのポケットに入れないなどの工夫をするのが望ましいでしょう。