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トウモロコシは皮ごと洗ったほうがいい? 選ぶ際の確認点や栄養を逃さない食べ方とは
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教えてくれた人:和漢 歩実

夏が旬のトウモロコシ(スイートコーン)。皮やヒゲが付いたまま店頭に出回ります。家庭で調理する際に、トウモロコシは皮ごと洗ったほうが良いのでしょうか。食べる部分は皮に覆われているため、洗う必要がないようにも感じますが、実際のところ、どうなのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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ヒゲの間に汚れや虫が付いている可能性も
皮付きで売られているトウモロコシは、何重もの皮が実を覆っているため、皮をむいて調理するならば基本的には洗う必要はありません。しかし、皮の中やヒゲの間に汚れや虫などが付いている可能性があります。気になる場合は、外皮ごと流水で洗って、外皮をむいて薄皮がついた状態でもやさしく全体を洗いましょう。
一方、皮がむかれた状態で売られているトウモロコシは、食べる部分がむき出しになっているため、調理前に流水で洗うことをおすすめします。
皮付きのトウモロコシを選ぶ際の確認点
トウモロコシは、皮をむくと鮮度が落ちやすく、さらに収穫後24時間経つと栄養が半減し、味も落ちるといわれています。皮やヒゲを取り除くのが手間でなければ、店頭で皮付きのまま売られているものを選ぶほうが良いでしょう。
皮の緑色が濃いもののほうが新鮮です。先端のヒゲにも注目してください。色が褐色、または黒褐色のトウモロコシが、熟していておいしいといわれています。
このヒゲはトウモロコシのめしべで、一本ずつ粒とつながっているので同じ数になります。つまり、ヒゲの数が多いものほど、粒も多いです。実が確認できる場合は、先端までぎっしり詰まっていて、粒が大きくそろっているものが、甘くてみずみずしい傾向にあります。
電子レンジ調理で栄養を逃さず食べる
トウモロコシは、できるだけ購入したその日のうちに調理して食べるか、すぐに食べることができない場合も、生のまま保存せず、茹でるなど調理して保存しておくと良いでしょう。 茹でたり蒸したりする際は、薄皮を付けたままで調理すると、旨味成分を逃さずおいしく食べられます。
葉酸(ビタミンB群)をはじめとするビタミン類やカリウムなどのミネラルが含まれていますが、ほとんどが水溶性です。茹でると、これらの栄養素が溶け出し、損失する可能性があります。
栄養のメリットをできる限りいただきたいならば、電子レンジ調理が手軽に、かつ栄養を逃さず調理できます。外側の皮とヒゲを取り、薄皮を付けた状態で軽く水洗いをしてから、ラップに包み、5分程度(500~600W)加熱しましょう。
すぐに調理できないときは立てて保存
保存する際は、熱いうちに1本ずつラップでぴっちりと包むと、粒にシワが寄りません。粗熱が取れたら、冷蔵か冷凍保存します。冷蔵は、2~3日を目安に食べ切ります。または硬めに茹でて輪切りにするか、実を外してから冷凍しておくと、おいしさを維持したまま保存でき、料理に使いやすいです。
購入してすぐに調理できない場合は、皮付きのまま1本ずつキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。このとき、ヒゲの部分を上にして立てた状態にすると良いでしょう。空のペットボトルなどをカットして使うと立てやすいです。トウモロコシは縦に成長するので、横にして保存するよりも鮮度の落ち方が緩やかになります。
ただし2日ほど過ぎると、風味が落ちてしまうので、早めに調理して食べ切るか、または上記のように冷凍保存しておきましょう。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾