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「北海道も異常な暑さでスズメバチが多いので…」 農園の仕事を手伝うかわいい“従業員” ブルーベリーを頬張る姿が話題に 「こういう共存が大切よな」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

びえいハスカップファームのブルーベリー【写真提供:えいハスカップファーム(@haskapfarm)さん】
びえいハスカップファームのブルーベリー【写真提供:えいハスカップファーム(@haskapfarm)さん】

 北海道の大自然に包まれた小さな農園で、今年もまた、ある“従業員”がひょっこりと姿を現しました。枝の下に実ったブルーベリーを、器用に見つけてはむしゃむしゃと食べる野生のウサギ。暑さが厳しい今年の夏。人手の足りない農園にとって、その小さな来訪者は、誰よりも頼もしい存在です。人間とウサギが共生する微笑ましいワンシーンに、X(ツイッター)で16万件もの“いいね”が集まり、大きな話題になっています。投稿者のびえいハスカップファーム(@haskapfarm)さんに詳しいお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

野生のウサギが“小さな従業員”に

「今年もブルーベリーを食べてくれる野生のウサギさん。今年は北海道も異常な暑さでスズメバチが多いので果実を放置しないように、販売しない下の方のブルーベリーを食べて掃除してくれてありがとうございます。労働力不足の我が家では小さくてかわいい従業員さんの存在は毎年の事ながら助かります」

 そんなコメントとともに投稿された動画には、青々と実ったブルーベリーの木の下で、おいしそうな果実を食べる野生のエゾユキウサギが映っています。

 器用においしそうなブルーベリーの実を見つけては、むしゃむしゃと頬張る姿は、まるで絵本の中から出てきたかのよう。見る人をほっこりとした気持ちにさせます。

 この投稿は16万件もの“いいね”を集め、大きな反響を呼びました。リプライには「ウサギ×ブルーベリーの組み合わせ、絵本みたいでかわいすぎんか……」「なんてかわいい季節労働者」「こういう共存が大切よな……」といった、温かいコメントが寄せられています。

ちょっとした思いやりの気持ちを大切に

売り物にならない下のほうのブルーベリーを食べてくれる野生のウサギ(写真はスクリーンショット)
売り物にならない下のほうのブルーベリーを食べてくれる野生のウサギ(写真はスクリーンショット)

 投稿者さんによると、ウサギは普段から農園内を自由に走り回っているそう。ブルーベリーを食べる姿を、初めて直接確認したのは2022年のことでした。それからは、毎年のように、ブルーベリーを食べにくるそうです。

「下のほうのブルーベリーは、雨による泥はねや汚れがつくので販売していません。本来はすべて収穫して廃棄するのが良いのですが、母親と自分の2人で経営してるので人手不足なのです。そのまま放置すると腐って病害虫の発生や、スズメバチがたくさん来てしまうため、処分したいのです。剪定などして最初から枝をなくせば良いのですが、それも人手不足のためできていません」

 このような状況のため、ウサギたちが果実を食べてくれることは、まさに自然な助け合いとなっているのです。農園では野生動物との共生において、独自の哲学を大切にしています。

「共存、共生で気をつけていることは、彼らに対して踏み込まず踏み込まれずということです。彼らのためにといって、こちらからは何もしないようにしています。それでも、彼らが庭で寝ていたら少しだけ遠回りしたり静かに歩いたり、ちょっとした思いやりの気持ちは常にあります」

まるで絵本の中から飛び出したかのよう【写真提供:えいハスカップファーム(@haskapfarm)さん】
まるで絵本の中から飛び出したかのよう【写真提供:えいハスカップファーム(@haskapfarm)さん】

 農場の環境作りや作業工程について、特別な配慮はしていないものの、野ウサギたちは快適に過ごしている様子。今年も期間限定の“従業員”として大活躍してくれました。

 なお、同園では、農園での直接販売や摘み取り体験などは行っておらず、見学やウサギの撮影、敷地内への立ち入りも受けつけていません。こうした対応は、農作業の安全確保や野生動物との適切な距離を保つために設けられた大切なルールです。穏やかな共生が続いていくためにも、このルールは決して破られることのないよう、静かに見守っていきたいですね。

(Hint-Pot編集部)