からだ・美容
妊活中は何時に寝れば良い? 睡眠に関する素朴な疑問を専門家が解説
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教えてくれた人:今井 さいこ

妊活中は、食事や運動だけでなく、睡眠も大切だといわれます。実際のところ、何時に寝たら良いのか、または何時間寝れば十分なのかといった目安はあるのでしょうか。「良い睡眠」のために心がけておきたいこととは? 妊活中の睡眠にまつわる素朴な疑問について、公認心理師の今井さいこさんに伺いました。
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睡眠には大きく3つの役割がある
睡眠には、大きく3つの役割があるといわれています。1つ目が、脳機能のメンテナンスです。睡眠によって休息を取ることで脳の疲労が回復し、判断能力や記憶力を正常に戻します。
2つ目は、体の修復や成長です。睡眠中に分泌される成長ホルモンによって、体の成長が促されます。また、細胞の新陳代謝を活発にする働きもあるので、傷の修復や自然な体重減少にもつながります。
3つ目は、記憶の整理や定着です。脳はその日起きた出来事を睡眠中に整理し、記憶として定着させる働きを持っています。
近年、睡眠と不妊の関係性に着目した研究が数多く進められています。睡眠不良だけが不妊の原因とはいえませんが、睡眠が妊活に与える影響は少なからずありそうです。
睡眠で大切なのは「時刻」よりも「量」と「質」
睡眠中に成長ホルモンが多く分泌される時間として、午後10時~午前2時を“ゴールデンタイム”と呼ぶこともあります。そのため、妊活中はできるだけこの時間に寝たほうが良いのか、早めに就寝したほうが良いのかなど、気になることがあるでしょう。もちろん、早寝早起きが理想的ですが、実際のところ「何時に寝るか」という「時刻」そのものは、あまり気にしなくてかまいません。
睡眠に大切なのは、ライフスタイルに合わせた適切な「量(睡眠時間)」と「質(寝始め3時間の眠りの深さ)」を確保することです。良質な睡眠が十分に取れていれば、成長ホルモンも眠りの前半でしっかり分泌されるといわれています。睡眠はメンタル面と関わっているところもあり、「早く眠らなくては」と焦ってしまうと、かえって眠れなくなることもあるでしょう。
睡眠リズムは起床時間を基軸に作られるので、ご自身の生活リズムに合わせて、毎朝なるべく同じ時間に起きることが大切です。睡眠リズムが出てくると、夜は自然と決まった時間に眠くなっていきます。