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夫のリボ払いが発覚 妻が取るべき対応とは 夫婦カウンセラーがアドバイス

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

夫が突然、毎日ヒゲを剃り始めたと思ったら、まさかの理由が(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
夫が突然、毎日ヒゲを剃り始めたと思ったら、まさかの理由が(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 赤の他人同士が共に暮らし、ひとつの家族になる「結婚」。どんなに熱烈な恋をして結婚したとしても、もともと違う環境で暮らしていたことから、ちょっとした価値観の違いが、結婚後に浮き上がってくることもあります。今回お話を伺ったのは、「金銭感覚の違い」により不安が募っているという女性のお話。夫婦カウンセラーのアドバイスとともにお送りします。

 ◇ ◇ ◇

夫が突然のイメチェン 浮気を疑ったけれど…

 夫と結婚して5年になる渡部恵真さん(仮名・30代)。夫が住宅費を、恵真さんが食費と雑費を負担する“別財布”スタイルで、ざっくりと支払いを分担しています。そして、お互いに別々で貯金をし、自由に暮らしてきました。

 ところが、あるときから夫に少しずつ変化が。長髪にヒゲ面だった夫が、髪を短くカットし、毎日ヒゲを剃るようになったのです。さらに、帰宅が遅くなり、休日に外出することも増えました。

「初めはもちろん、浮気を疑いました。でも、どうも女の影がないというか。それで夫を問い詰めたところ、私に内緒で、飲食店のアルバイトをしていたことが判明したんです」

 30代なりの給料はもらっていたはずの夫。家賃も無理のない範囲なので、なぜそんなにお金が必要なのか恵真さんが聞くと、夫は重い口を開きました。

「なんと、リボ払いのツケが溜まっていたようなんです。リボなんて、年利15~18%ですよ? 手数料は高いし、支払いはなかなか終わらないし、デメリットばかりなのに……。なんでそんなものに手を出したんだか」

 しかも、リボ払いを設定してまで借金した理由は、仕事の後輩に見栄を張り、大盤振る舞いをしていたため。「そんなことで見栄を張ってどうするのか」と、恵真さんはさらにあきれてしまったそう。

「利息がもったいないので、私が返済を立て替える提案もしたのですが、夫には断られてしまいました。自分の力だけで借金を返そうと、アルバイトを始めた姿勢は認めます。でも、借金する人は繰り返すっていうじゃないですか。だから、将来が不安で……」

見栄っぱりな性格は直らないので、金銭管理を任せてもらうことを一案に

 さっそく、夫婦カウンセラーの原嶋さんにお聞きしてみました。

「借りたものは返す。これは言うまでもなく、当たり前のことです。恵真さんは『夫の姿勢を認めている』とのことですが、繰り返しますが、借りたものを返すのは、努力でも特別なことでもありません。ですから『偉いね』とか『よく頑張っているね』なんて甘い言葉は、あえて伝えないでいいと思います。言い方が少しきついかもしれませんが、内緒にしても大丈夫という夫の甘えを、助長してしまうかもしれませんから」

 いきなり厳しい言葉でスタートしましたが、見栄を張るために借金までするタイプは「(アルバイトで)つらいのも疲れるのも、自分だけが悪い」ことを自覚させないと、同じことを何度も繰り返す可能性が高いそう。

「見栄っ張りな人は、それだけ誰かに認めてもらいたい気持ちが強い人ともいえます。他人からの評価が気になり、自分をより良く見せようとするあまり、お金を使いすぎてしまうことがあるんですね。

 大切なのは『ありのままの自分』を受け止められるようにサポートすること。お金でつなぎ留めた相手から得られる幸せは一時的なものだということ、そして、見栄を張ることよりも自身の内面を磨いたほうが幸福につながることを、伝えていきましょう」

 とはいえ、なぜ内緒にしていたのかはきちんと話し合いをし、お金の使い方について、これを機に改めて夫婦で取り決めをしたほうがいいとのこと。そうしないと、また借金をしても妻なら許してくれると、改善しない可能性があるといいます。

「もちろん、借金の返済には絶対に手を貸さず、必ず夫自身の手で完済させましょう。そうして得られる『成功体験』は、夫自身がより良い大人に成長するうえで欠かせない体験になります」

(和栗 恵)