からだ・美容
睡眠の質は月経周期で変わる? 妊活中に快眠を得るためのOK・NGを専門家に聞いた
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教えてくれた人:今井 さいこ

女性は、ホルモンバランスが変わる月経周期によって、日中に眠くなったり、眠りが浅くなったりと、睡眠に影響を受けやすいといわれています。妊活中に質の良い睡眠をとるためには、どのような点に気をつけたら良いでしょうか。公認心理師の今井さいこさんに伺いました。
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体温には表皮体温と深部体温がある
睡眠は、体温と深く関わっているといわれています。体温といっても、ここで重要なのは、体温計で普段測っている「表皮体温」ではなく、「深部体温」のことです。
深部体温とは、脳や内臓など体内の中心部の温度のことを指し、一日の中で上下します。起床2時間ほど前から上がり始めて、起床11時間後に最も高い状態に。その後は下がり続け、入眠するとさらに下がる特徴があります。
この深部体温が下がるとき、人間は眠気を引き起こし、深い眠りへと導かれていくのです。つまり、快眠のためには「深部体温をうまく下げること」が大切になります。
女性は、高温期に深部体温の変動が起こりにくい
一方で、女性の基礎体温(表皮体温)は、ホルモンの変化によって変動します。月経周期に合わせて「低温期(卵胞期)」と「高温期(黄体期)」があり、生理が始まると体温が下がって、排卵を境に高温期へ移行します。このリズムは、基礎体温を測っている人にはなじみがあるでしょう。
つまり女性の体には、一日の中で変化する深部体温の上下に加えて、月単位で変化する基礎体温のリズムもあり、どちらも睡眠の質に関係しています。
月経から排卵までの低温期は、エストロゲンの影響で一日の深部体温が上下します。一方、排卵後から月経までの高温期はプロゲステロンの影響で深部体温の変動が少なくなり、メリハリがつきにくい時期に。生理前に睡眠が浅くなったり、日中も眠かったりするのは、深部体温がホルモン変化の影響を受けているためです。
深い眠りを得て睡眠の質を上げるためには、高温期の深部体温の変動にどうメリハリをつけていくかがポイントになります。