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丸投げ夫と過干渉義母の板挟み…妻が“悪者”にならないためにできること 夫婦カウンセラーがアドバイス
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教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

義理の家族との距離感は、結婚後の大きなテーマのひとつです。“報連相”は、人間関係を良好に保つうえでも大切ですが、行きすぎてしまうと嫌な思いをすることも……。夫の相談癖に悩んでいるという女性に悩みを聞きました。夫婦カウンセラーの見解とは。
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なんでも「妻に聞いてみる」が口癖の夫
原田有香さん(仮名・40代)は、義理の家族と近距離別居中。義母は過干渉ぎみですが、それでも気を遣ってくれているのか、有香さんに直接連絡してくることは少ないそうです。
ところが、連絡を受け取る夫は「妻に聞いてみる」「妻と相談してみる」が口癖。結果、すべての判断が有香さんに回ってくることが、大きなストレスになっているといいます。
「一見すると、夫が間に入ってくれているように見えますが、夫は義母からの言葉をそのままこちらに伝えてくるだけ。壁にも何にもなってくれてないんですよね」
たとえば、有香さんが出産当日で、体も心もぐったりしていたときのこと。立ち合いは事前に断っていたものの、夫が義母に出産を報告すると、「すぐにお見舞いに行きたい」と言われたそうです。もちろん夫がその場で断ってくれると思っていたのに、有香さんに意見を求めてきたため、仕方がなく面会を許可することになったのだとか。
また、その後も夫が子ども時代に使っていた、何十年も前の古ぼけた子ども服や肌着、おもちゃを「おさがりにどうかと思って」と連絡があったときも、すべて有香さんに相談を持ちかけてきました。もちろん善意で提案してくれているものの、初めての育児ということもあり、有香さん自身もナーバスになっていたため、古びた肌着などは夫から断ってほしかったといいます。
それだけではありません。夫は自分が断りにくいことまで、有香さんを“盾”にして回避しているそうです。
「夫自身が『嫌だな』と思っていることも、すべてこちらに投げてくるんです。先日も、義母の知人の子どもが保険の営業をしているそうで、夫に紹介したいと頼まれていると義母から言われたらしく、そのときも『有香に相談してみるね』と答えていて。これだと全部、私が反対しているかのように受け取られてしまいますよね」
義母からこのことについて、何か言われたことがあるわけではないけれど、心苦しさを感じているという有香さん。
「義母や周囲からダメ妻認定をされているようでつらくて、つい、義実家と距離を置くようになってしまいました。夫はそのことについて不満を抱いているようですが、私からすれば『あなたが断ってくれればいいのに!』と……。どうすれば、夫のこうした行動は直るのでしょうか?」
夫の相談は、スルーでOK!
夫婦カウンセラーの原嶋さんに、有香さんの悩みを払拭する方法をお聞きしました。
「まず大事なのは、“夫が自分の言葉で返事をする”という習慣をつけることです。義母への返答を有香さんが代わりにしてしまうと、結局、“夫が判断しない状況”が続いてしまいますからね」
具体的に、「なんでも有香に相談するね、と言うのはやめてほしい」など、今の気持ちや要望を伝えることも大切です。
「それでも癖が直らない場合は都度、夫に『あなたはどう思っているの?』『返事はあなた自身の言葉でしてね』と戻すようにしましょう。もし夫が迷ったり、言い方に困ったりしているなら、一緒に文章を考えてあげる“相談役”としてサポートすれば十分です」
夫が自分の意見を自分の口で伝えることで、自分で決めて返す力が少しずつついていくはずです。
「時間はかかるかもしれませんが、この積み重ねが、夫婦の間のストレスもぐっと減らしてくれますよ」
(和栗 恵)