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突然の入院で夫婦間の問題が露呈 自立していない夫と今後どうすればいい?

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

妻の突然の入院に際し夫は…(写真はイメージ)【写真:写真AC】
妻の突然の入院に際し夫は…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 高齢になると、健康やお金のことなどさまざまな心配事がつきものに。今回お悩みを伺った70代女性は、自身が突然入院することになり、夫の今後が不安になったといいます。家事スキルがない夫に自立を促すには、どうすればいいのでしょうか。夫婦カウンセラーの原嶋めぐみさんが答えます。

 ◇ ◇ ◇

入院時に必要なものをそろえるよう夫にお願いするも…

 北関東在住の庄司可南子さん(仮名・76歳)は数年前、不慮の事故が原因で入院することになりました。そのとき初めて、夫婦が抱える問題点に気づいたといいます。以下、可南子さんのお話です。

 4年ほど前、2階のベランダで洗濯物を干そうとしたとき、手にしていたカゴに足を引っかけて、階段の中腹くらいから転がり落ちてしまいました。あまりの痛さに気が遠くなりかけましたが、必死に電話のところまで行き、健康マージャンに出かけていた1歳上の夫に連絡して助けを求めたんです。

 しかし、夫は帰宅を拒否し、タクシーで病院へ行くよう言われました。どうにか自分で手配をして受診すると、精密検査の結果、大腿骨や手首、肩を骨折していることが判明しました。とくに手首は損傷がひどかったため、入院することに。痛みがひどすぎて感覚が麻痺していたのですが、医師からは1人で来院したことを驚かれるほど状態は悪かったようです。

 問題はここから。入院にはけっこう必要なものが多いんですよね。そこで、再度夫に連絡してタオルや部屋着、下着、歯ブラシなどを届けてもらうことにしたんです。

 病院に到着した夫の第一声は、「階段から落ちるなんて、お前は本当にバカだな」。これは予想していたことなので「はいはい」と流したのですが、夫が持ってきた袋の中を見て呆然としました。

 お願いしたものがちっともそろっていないのです。タオル類はバスタオルがなく、お年賀でもらった薄いタオルが2枚だけ。歯ブラシは入っているけれど、歯磨き粉やコップはなし。手や肩をあまり動かせないため前開きの服を頼んだのですが、娘が若いときに使っていて私は着られそうにない細身のパジャマがなぜか入っていたんです。

 立ち会った看護師さんが、夫にメモを渡してきちんと用意するよう念を押してくれたのですが、それが恥ずかしかったのでしょう。結局、夫がその後病院に来ることはありませんでした。レンタルなどでどうにかするしかないかなと考えていると、息子から連絡を受けた義娘が代わりに必要なものを届けに来てくれました。

 肩と手首にプレートを入れる羽目になってしまいましたが、どうにかこうにか1か月ほどで退院。その間、高校生になる孫を連れて息子夫婦がまめに顔を出してくれました。夫の食事や洗濯などもすべて面倒を見てくれたようです。

 息子夫婦からは、今後私に何かあったときのためにも、夫にきちんとしてもらわなければならないと言われたのですが、夫に変わってもらうために、いまさら何から始めればいいのかわかりません。どのようにするべきか、アドバイスをいただけると助かります。