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「川で冷やしたスイカ」に潜むリスク レジャーの場面でやりがちなこと 栄養士が促す「注意」とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

スイカを川で冷やす(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
スイカを川で冷やす(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 夏を代表する食べ物といえば、スイカ。丸ごと1玉を買ってきたとき、食べる果肉は分厚い皮に包まれているため、皮を洗う必要はないように感じるかもしれません。しかし実は、思わぬリスクが潜んでいることも。同様に夏のレジャーで、川にスイカを浮かべて冷やすことがありますが、こちらも注意が必要だそうです。スイカの皮、洗う? 洗わない? 栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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スイカの果肉は、厚い皮に覆われているけれど…

 シャリシャリとした食感に、すっきりとした甘みが特徴のスイカ。90%以上が水分のため、暑い季節の身体を冷やしてくれます。すぐに食べられるように果肉だけカット済みのスイカも販売されていますが、丸ごと1玉を購入するほうがお得です。

 スイカを切るとき、食べる果肉は厚い皮に覆われているため、皮の表面を意識することはあまりないかもしれません。ただし、カットする際は、包丁が皮から果肉の順に触れるので、皮の表面に汚れや細菌が付着していると、包丁を介して食べる果肉にもついてしまいます。また、丸ごとのスイカをすべて食べずに、切った一部を冷蔵庫で保存する場合、皮に汚れがついたままだと衛生面が心配です。

 そのため丸ごとのスイカは、切る前に皮の表面を流水で洗っておくことをおすすめします。とくに汚れなどが気になる場合は、野菜専用の洗剤などを活用するとより安心です。

 半分や1/4にカットされたスイカの場合は、流水で洗うと果肉も濡れてしまいおいしさが損なわれるので、清潔なふきんやペーパーなどを濡らして表面をきれいに拭き、食べやすい大きさにカットすると良いでしょう。

皮の表面に付着した細菌などが果肉に移る可能性も

 避暑地でのレジャーで、川でスイカ1玉を冷やして切り分けて食べるなど、自然の醍醐味を満喫したい方もいるかもしれません。しかし、一見してきれいな清流の水でも、自然の川には細菌やウイルス、寄生虫が生息していることがあるため、注意が必要です。体調不良や感染症へのリスクが潜んでいます。

 スイカは皮が厚いため、皮ごと食べる果物とは異なり、安全だと思われがちですが、川に浸すことで、スイカの表面に細菌やウイルスなどが付着する可能性があります。カットする際に、細菌やウイルスが手や包丁を介して果肉など食べる部分へ移ることも考えられるでしょう。

 スイカを川で冷やしたい場合は、直接ではなく密封できる袋を用いて、冷やした後に表面をしっかりと洗浄し、切り分ける際には小まめに包丁を洗うなど、衛生面に配慮することが重要です。できれば、川ではなく、クーラーボックスを使うか、氷や冷却剤で冷やす方法が望ましいといえます。

スイカの皮 果肉より多い健康成分とは

 スイカには、シトルリンというアミノ酸が含まれています。血流を良くして冷えやむくみを改善するほか、紫外線から肌を守る効果が期待されている健康成分です。皮の白い部分には果肉の約2倍ものシトルリンがあります。スイカはきれいに洗ったら、皮を捨てずにぜひ食べてみてください。

 皮と果肉の間に包丁を入れて、赤いスイカの果肉部分を少し残してカットします。外側の硬い緑の部分を、同じように包丁を入れて取り除いたあと、白い部分を適度な大きさにカットしましょう

 好みのドレッシングをかけて食べても良いですし、塩昆布とあえてゴマ油をかけても美味。シャキシャキとした食感が楽しめます。バナナやリンゴなどの果物、はちみつと一緒にミキサーにかけて、スムージーにしてもおいしいです。夏に涼と元気をくれるスイカ。衛生面に配慮しつつ、存分に味わいたいですね。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾