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「精液検査を受ける際に、禁欲期間は長いほうが良いですか?」 男性妊活にまつわる素朴な疑問を専門家に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:小松原 千暁

不妊の原因は男女で半々…それぞれ不妊症の基本検査を受けてみよう(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
不妊の原因は男女で半々…それぞれ不妊症の基本検査を受けてみよう(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 カップルで妊活を始めてみたものの、なかなか妊娠しないなど不安がある場合、不妊専門の医療機関で基本検査を受けてみるのも選択肢のひとつ。妊娠しにくい根本的な原因がないかどうかを調べるものです。不妊症の基本検査には、男女それぞれの検査があり、男性側の代表的な検査に「精液検査」があります。どのような検査が行われ、何がわかるのでしょうか。不妊症看護認定看護師の小松原千暁さんに伺いました。

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男性の不妊症検査である精液検査とは

 不妊症の基本検査というと、女性だけが受けるイメージがあるかもしれませんが、男性側の検査もあります。WHO(世界保健機関)の調査などから、不妊に悩むカップルの約半数は男性にも原因があるといわれています。妊娠を望んでいるけれど「自然に授からない」と感じているなら、男性側も不妊症の基本検査を受けることが大切です。

 男性の検査は、不妊症専門や泌尿器科などの医療施設で受けられます。施設によって検査内容は異なりますが、主に行われる検査が精液検査です。女性の検査のように月経周期に合わせる必要がないため、基本的には短い期間で済みます。

 精液検査は妊孕性(にんようせい・妊娠させる力)を調べるために、精液量や精液中に含まれる精子の濃度、運動率、正常形態率などを評価する検査です。精液はマスターベーションにて直接、専用容器に射精して入れます。

 採精室を設けている施設もありますが、リラックスした状態での採取が望ましいことから、自宅で採取して、温度管理をした状態で医療機関に持っていく方法を推奨している施設が増えています。

精子のために大切なのは、長期間の禁欲よりも生活習慣

 精液検査に備えて「できるだけ長く禁欲して、精子を溜めたほうが良いのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、長い期間禁欲したからといって良い結果につながるとは限りません。むしろ、射精を控える期間が長すぎると古い精子が増えて、精子全体の質が下がると考えられます。

 精子の寿命は平均して3日程度です。射精すると、精巣で新たな精子が作られ、それが繰り返されることで造精機能が保たれます。精液検査の前に、射精を控える禁欲期間を2~7日とするのが一般的ですが、2~3日を目安にしている医療施設が多いようです。必要以上に禁欲期間を長くしないようにしましょう。

 精液検査では、精子について「数が多い」「活発に動いている」「DNAが損傷した割合が少ない」などが「良い状態」と評価されます。

 質の良い精子のために大切なのは、日々の生活習慣です。栄養バランスの良い食事、質の良い十分な睡眠、そして適度な運動を心がけましょう。喫煙は今すぐやめてください。また、精子は熱に弱いため、サウナや長時間の入浴、膝上でのパソコン作業など、精巣を温める環境は避けましょう。